天田財団_助成研究成果報告書2024
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).a( yti).a( ytisnesne].ua[ytisnetn00.0000.140.120.100.080.060.040.020.005000.140.120.100.080.060.040.021000Time (nsec)150020000.00204060Time (nsec)80100u.tnI0u.tnI0.I図2マイクロライダーシステム(左)とレーザー加工ヘッド(右)の写真 ・ 信号処理図3は,マイクロライダーで検出された信号の例を示す.この例では,ストレッチ後のパルス幅は約20nsである.左図のように,100ns間隔(10MHz)で信号が検出されている.右図より,1つのパルス信号の中に,ワークからの反射光と干渉光の干渉によるビート信号が発生していることが確認できる.反射光と参照光は時間とともに周波数が変化するチャープパルスであり,2つのパルスに時間差があると,干渉しその時間差に応じたビート信号が発生する.ヒート信号の周波数を解析することで,反射光と参照光の時間差,つまり,反射光と参照光の光路長差が得られる.周波数解析の流れは以下の通りである.はじめに,フレーム処理によって,連続したパルス列の信号を1つのパルスごとに切り出す.次に,時間を波数に変換する.分散補償ファイバーの分散量は非線形成分を含むため,チャープパルスの時間と波数の関係も非線形成分を含んでおり,ビート信号がわずかにチャープしており,複数の周波数成分を含むことになる.したがって,非線形成分を補正する必要がある.時間と波数の変換式は,予め干渉信号を測定して求めておく.オシロスコープで取得された信号は,等時間間隔でサンプリングされているため,波数に対しては等間隔ではない.そこで,FFT処理をするために,波数に対して等間隔になるようにリサンプリング処理を行う.FFT結果の分解能を高くするために0パディングを行った後にFFTを実行する.ワークの位置にミラーを置き,光路長差を2mmから16mmまで変化させた場合のFFT結果を図4に示す.ビート信号による鋭いピークが確認できる.ピークの幅と高さは10mm以上の範囲でほぼ一定であり,10mm以上の測定レンジで距離測定が可能であることが確認できる.なお,測定レンジは,バランス検出器とオシロスコープの帯域で制限される.この測定では,帯域60GHzのバランス検出器と20GHzのリアルタイムオシロスコープを用いて測定を行っている.また,図5は,ワークの位置にミラーを置き高さを変化させて距離測定を行った結果と,2000回測定での標準偏差を示す.13mmの測定レンジにわたり,10μmの測定精度で距離測定ができる.図3マイクロライダーの計測信号(左)と拡大図(右)図5距離測定の結果(左)と標準偏差(右) ・■リアルタイム計測とフィードバック制御図1に示すマイクロライダーシステムでは,オシロスコープに記録した計測データを後からPCに転送し,データ解析を行うので,リアルタイムでの距離計測と計測結果に基づくフィードバック制御はできない.そこで,AD変換とリアルタイム信号解析,フィードバック制御を行う制御システムを作製し,リアルタイム計測とフィードバック制御を行う.図6に制御システム全体の構成図と写真を示す.制御システムは信号処理部とフィードバック制御部から構成されている.信号処理部では干渉光学系からのビート信号をA/D変換し,FFT処理により解析された距離情報をフィードバック制御部に転送する.A/D変換ボードは,バランス検出器で検出され増幅された電気信号を,10.25 GSPSのサンプリングレートで12ビットでAD変換し,FMC+規格のケーブルで接続されたFPGAボードに高速かつリアルタイムにデータ転送する.FPGAでは16パイプライン処理によりFFTを含む信号解析をリアルタイムで行う.パイプライン処理の概略図を図7に示す.現在は,FPGAのリソースの制限により,各パイプラインは2つのFFTを並列処理し,9.6MHzの干渉信号から間引いて図4干渉信号のFFT結果5040302010− 92 −2mm10mm4mm12mm6mm14mm0.0040.0080.012Optical path length [m]8mm16mm0.0160.020

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