天田財団_助成研究成果報告書2024
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パンチ側:1t SPCCダイ側:0.5t SPCCパンチ側:1t SUS304ダイ側:1t A1050パンチ側:0.5t SPCCダイ側:0.5tSPCCパンチ側:0.5t SPCCダイ側:1t SPCC図12両側に押え板を用いた深絞り図14(a)より,フランジ部分に関しては同じしわ抑え力(10kN)に対しては,パンチ側の押え板強度が低くダイ側の押え板強度が高い組み合わせの場合がしわがより抑制されていることがわかる.図14はダイ側の抑え板を1t SPCCで固定し,パンチ側押え板を変えた場合の,フランジ部の金属箔に作用する平均面圧の有限要素解析結果を,パンチストロークに対する変化として示したものである.パンチ側押え板の強度が高くなるほど平均面圧が低下しているが,これは高強度の抑え板をパンチ側に使用すると,しわ抑え力を押え板で支えてしまうため,フランジ部ダイ側に隙間が生じ,しわ抑え力が十分に金属箔に伝わらなくなるためである.(a)フランジ部,壁部ともにしわ(b) フランジ部のみしわ(c)壁部のみしわ(a)しわなし図13両側に押え板を用いた深絞り試験結果壁部については,図13(b)よりダイ側の押え板の強度が高いほうがしわが発生しにくく,またパンチ側の押え板は壁部しわ発生に対しての影響は小さいことがわかる.図15に,パンチ側押え板を1t SPCCに固定しダイ側の押え板を変化させた場合の,パンチストローク3mmにおける面圧分布を示す.ダイ側押え板がしわが生じた0.5t SPCCの場合に比べ,しわが生じなかった1t SPCCの場合の方が,膜中心からの距離が約43mm以上の場所において高い面圧が作用していることがわかる.しかし実際にしわが観察された35mmから43mmの範囲ではいずれも面圧は低いことがわかる.図15パンチストローク3mmにおいて壁部に作用する面圧分布(パンチ側押え板:1t SPCC)図14フランジ部平均面圧の変化(a)フランジ部まとめ(b)壁部まとめ− 83 −

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