天田財団_助成研究成果報告書2024
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■2.実験方法■■ ・■■供試鋼■■■ YS (MPa): yield strength, TS (MPa): tensile strength, UEl (%): uniform elongation, TEl (%): total elongation, ■fγ0 (vol%): initial volume fraction of retained austenite, ■Cγ0 (mass%): initial carbon concentration in retained austenite ■ ■■■■■■■■■■■■■■■■ Cγ0 0.35 fγ0 3.7 1.研究の目的と背景■■自動車の車体軽量化によるエネルギー効率の向上と衝キーワード:高強度鋼板,プレス成形,遅れ破壊■突安全性の向上のため,自動車用高強度鋼板のさらなる高強度化が求められている.自動車用高強度鋼板は強度レベルが上昇するにしたがってプレス成形性の低下,および遅れ破壊の発生が問題となる.プレス成形性の低下の問題に関しては,鋼板を再結晶温度以上でプレス成形し,そのまま金型で急冷して母相をマルテンサイト組織とすることで超高強度を得ることができるホットスタンプ技術■)が適用されたが,将来的には引張強さ■■■■■■■■級の超高強度鋼板を冷間プレス成形することが予想される.高強度鋼板の遅れ破壊特性評価に関しては,引張試験片を用いて低ひずみ速度引張(■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■)試験や定荷重試験により評価された報告2■3)は多いが,プレス成形部品の遅れ破壊特性評価に関する報告4■5)はほとんど行われていなかった.プレス成形には曲げ,張出し,穴広げ,深絞りのような様式があり,それぞれのプレス成形様式で異なる成分の残留応力,塑性ひずみ分布が生じる.また,このプレス成形部品に水素が侵入した場合,水素は静水圧応力の高い領域に集積し,また,塑性ひずみ付与によって生じた転位にもトラップするため,プレス成形部品には非常に複雑な残留応力,塑性ひずみ,水素分布が存在し,プレス成形部品の遅れ破壊特性評価は難しい.本研究では,プレス成形を施した高強度鋼板の遅れ破壊特性評価を行い,遅れ破壊挙動の詳細な調査を行った.■■本研究では表■に示す化学組成の冷延鋼板を用いた.この冷延鋼板に■■■℃×■ ■■■■のオーステナイト域焼鈍,引き続き ■■℃×■■■■■■の等温変態処理を施し,■■■■型マルテンサイト(■■)鋼を作製した.■■鋼の微細組織を図■に,機械的特性,および残留オーステナイト(γ)特性を表2に示す.本研究の■■鋼の■■ %耐力,引張強さは■■■■■■■,■■■■■■■■,全伸びは■■■%を有し,残留γ体積率とその炭素濃度は■■■■■■■%,および■■■■■■■■■%であった.■表1■■■鋼の化学組成ff■■■■%■.■東北学院大学■工学部■機械知能工学科■( ■ ■年度■重点研究開発助成■課題研究■■■■ ■ ■■■ ■■■)■准教授■北條■智彦■表2■■■鋼の機械的特性,および残留オーステナイト特性. ■■ ・ ■プレス成形試験■■■曲げ試験片には,■■鋼板から切り出した長さ■■■■■■,幅■■■■■,板厚■■ ■■■の試験片を用いた.この試験片に曲げ半径■■■■■の■曲げ加工を施した.その後,■曲げ試験片の端部をボルト,ナット締めして■曲げ頂点部に■,および■■■■■■■■の応力を付与した.なお,■曲げ加工後,除荷後の■曲げ頂点部の応力をゼロとして負荷を行った.■穴広げ試験片は約■■■■■×■■■■■,板厚■■ ■■■の寸法の試験片にパンチ打ち抜き速度■■■■■■■■■で直径■■■■■■■のパンチ穴をあけ,引き続き,打ち抜きせん断部を押し込み側として,パンチ先端角■■°の円すいパンチによって押し込み速度■■■■■■■■で穴広げ加工を行って作製した.穴広げ試験時のパンチの押し込み量は,パンチが打ち抜き加工した試験片に接触してから■■■■とした.■張出し試験片は約■■■■■×■■■■■,板厚■■ ■■■の寸法の試験片に押し込み速度■■■■■■■■で先端半径■■■■■■の球頭パンチを押し込み作製した.張出し試験時のパンチの押し込み量は,パンチが試験片に接触してから■■■■とした.■■ ・■■遅れ破壊試験■■曲げ,応力負荷後の■曲げ試験片,穴広げ試験片および張出し試験片の遅れ破壊試験は陰極チャージ法により水素チャージして行った.水素チャージ液には■■%■■■■■■ ■■μ■■C 0.2 Si 1.48 Mn 1.5 P S Al 0.042 <0.005 0.0022 YS 949 O 0.0015 図1■■■鋼の微細組織. TEl 8.7 TS 1404 UEl 5.1 − 73 −プレス成成形形した超高強度低合金■■■■鋼■の遅れ破壊特性評価技術の確立■

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