量れずのチンパ量れずのチンパmm 0. //mmmm 2・2 実験方法 最適なスライドモーションを事前に見つけ,不良の発生が予測された際に,それを回避できるスライドモーションに切り替えるという知能化プロセスの準備として,不良率を低減できるプレス動作について検討した. 図3に,インパクト成形用金型の概観を示す.パンチの根元に汎用箔ひずみゲージを正面2点,背面2点の計4点貼付し,成形中のひずみ履歴を測定した.被加工材はA1050-H24を用い,せん断加工により所定の寸法に切り出し,バレリングによりステアリン酸亜鉛を潤滑処理した.成形品側壁部の厚みは0.7 mmを設計値としており,断面積減少率は70%程度である.パンチストロークは7 mmに設定した.実験結果の評価については,外観検査として,割れ,しわの発生の有無や,側方から見て曲がりがないかを調べた.また,成形品の正面と背面に現れる被加工材の底面側の角部跡の高さをそれぞれhfront,hbackとし,正面と背面のhの差,| hfront – hback |を形状精度と相関のある∆hと定義して,その大小でも成形の良否を評価した. FEM解析は,Simufact Forming 2021を用いて行った.被加工材は弾塑性体,パンチは弾性体,ダイスは剛体とした.材料データは,ソフトウェアに収録されているものを用いた.ダイスの凹部に被加工材を設置した様子を上方から見た模式図を図4に示す.成形不良の要因を調べるために,図に示すように, (a) 中央に設置した場合,(b) 中央から短辺と平行方向に0.1 mmおよび0.2 mmずらして設置した場合,(c) 面内方向に0.5°傾けた場合の4条件について解析した.既報では,パンチの前進と後退を繰り返すパルスモーションによって成形精度を向上できる6)ことを報告した.本稿では,さらにパルス開始位置やパルス時のスライドの前進量であるパルス幅の大きさについて,FEM解析を用いて詳細に考察した内容について説明する. 2・3 FEM解析結果 実際の製品での成形不良は,長辺側の壁面厚さの偏りや,片側の長辺での破れがほとんどであった.そのことより,成形中にパンチが短辺と平行方向にずれることが成形不良を引き起こす要因と考えた.そこでまず,パンチのずれに及ぼす被加工材の設置位置の影響を調べた.図5に結果を示す.図より,金型中央から被加工材が大きくずれるほど,パンチのずれ量が大きくなることがわかる.一方で,金型に対して被加工材が回転した場合ではパンチのずれは小さいことがわかる.よって,被加工材が金型中央からずれた場合に発生するパンチのずれ量を小さくする方法としてパルスモーションを検討した. 図6に,被加工材を短辺と平行方向に0.2 mmずらして設置した場合の,成形中のパンチのずれに及ぼすパルス開始位置の影響を示す.なお,パルス幅の大きさは0.1 mmとした.パルス加工を行わない場合,ストロークが進むとパンチのずれ量が大きくなり,0.6 mmのストローク位置で0.23 mm程度とずれ量が大きくなった.しかし,パルス加工を行うことで,一度のパルスにより,パンチのずれ図5 パンチのずれ量に及ぼす被加工材の設置位置の図6 パンチのずれ量に及ぼすパルス開始ストロークの影響 量を改善できることがわかる.パンチのずれはパンチの曲げ方向における弾性変形によって生じており,パルスを行うことでその弾性変形をリセットできたことが要因と思パルスなしz x y y z z y x ダイ ダイ パンチのずれ量 − 68 −42.3 mm x 0.1 or 0.2 mm (a) 中央 (b) 端寄せ 図3 インパクト成形用金型 図4 被加工材の設置位置 影響 パンチストローク/mmひずみゲージ×4 パンチ 被加工材 被加工材 端寄せ:0.2 mmパンチストローク/mm0.250.6 mm0.200.5 mm0.150.4 mm0.100.3 mm0.050.2 mm0.000.00.20.4z y 10.5 mm 8x 0.5° (c) 回転 0.250.200.150.100.050.000.00.20.40.60.8端寄せ:0.1 mm回転:0.5°0.60.8
元のページ ../index.html#70