AF-2021242-C2奨励研究助成(若手研究者枠)レーザー加工透明導電膜,レーザー照射,固相結晶化nomoto.junichi@aist.go.jp国立研究開発法人産業技術総合研究所 製造技術研究部門 主任研究員野本 淳一− 58 −レーザプロセッシングプローブ層を用いた紫外線レーザー照射における生成熱の測定と その制御技術に関する研究本研究では、透明導電膜の固相結晶化にエキシマレーザーを用いた光結晶化技術を採用することにより、前人未到であったフレキシブル高移動度透明導電膜を形成することに成功した。適切な層構造と成膜手法で作製した前駆体薄膜において、適したパルス数のエキシマレーザー照射により基材へのダメージ無しに固相結晶化を可能とし、低耐熱樹脂基材上に形成された透明導電膜の中で世界最高値のキャリア移動度を実現した。この高いキャリア移動度により近赤外透過の低下の根幹であるキャリア密度を低くしても高い導電性が得られ、可視から近赤外線帯域までの広い波長帯域で高い透明性を実現した。また、材料の分光スペクトル変化を利用した、結晶化モニタリング技術を開発した。必要最低限の照射での機能発現を支援する当該技術は、プロセスコストの大幅な低減につながる。
元のページ ../index.html#60