天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2021236-C2奨励研究助成(若手研究者枠)AF-2021237-C2奨励研究助成(若手研究者枠)半導体レーザ加工,微細光源窒化ガリウム,光電気化学エッチング,微小共振器ttajiri@uec.ac.jp医療デバイス有機イメージセンサ, 生体イメージング, 有機フォトディテクタyokota@ntech.t.u-tokyo.ac.jp電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 准教授東京大学大学院 工学系研究科電気系工学専攻 准教授田尻 武義横田 知之− 56 −レーザプロセッシングレーザプロセッシングレーザ援用光電気化学プロセスによる窒化ガリウム微小光共振器の高品質作製レーザーリフトオフプロセスを用いたフレキシブル有機イメージセンサの開発難加工性材料として知られるIII族窒化物半導体では、レーザ加工がデバイス作製上の重要な要素技術となっている。本研究では、微細な光源への応用が期待される中空状薄膜構造を対象に、レーザ光を用いた新たな作製技術を開発し、その高品質化への可能性について検証を行った。窒化インジウムガリウム上に製膜された厚み100 nm程度の窒化ガリウム薄膜に対して、光照射下で生じる化学反応(光電気化学反応)をレーザ強度変調などにより制御することで、窒化インジウムガリウムを高い材料選択性で除去できることを明らかにした。また、半導体プロセスにより窒化ガリウム薄膜の面内構造を成型することで、微細な共振器を高い品質で実現することにも成功した。これらの成果は、可視光領域で動作する光集積回路用レーザ光源の基本構造として将来の応用が期待される。我々は、フレキシブルなセンサの基板を皮膚の1/10以下の厚さまで薄膜化することで、皮膚の表面形状に追従しかつ密着するデバイスを実現することができることに成功した。この技術を用いることで厚さが15µmのフレキシブル有機イメージセンサを開発することに成功した。開発したフレキシブルイメージセンサは、低温ポリシリコンを用いたトランジスタバックプレーン上に有機フォトダイオードを集積化することで実現している。これまでのフレキシブルイメージセンサとは異なり、508dpiという高解像度と40fps以上の高速撮像を同時に実現することに成功した。その結果、指紋や静脈といった静的な生体情報と、脈波などの動的な生体情報を1枚のセンサで同時に計測することが可能である。

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