AF-2021230-C2奨励研究助成(若手研究者枠)AF-2021231-C2奨励研究助成(若手研究者枠)レーザ加工,半導体プロセス軟X線レーザ,微細加工,誘電体kmikami@waka.kindai.ac.jpレーザー加工液中レーザーアブレーション,Eu蛍光体,光還元tuta@d.kisarazu.ac.jp近畿大学 生物理工学部医用工学科 講師長岡工業高等専門学校 電気電子システム工学科 助教三上 勝大蔦 将哉− 53 −レーザプロセッシングレーザプロセッシング軟X線波長による低エネルギー微細レーザプロセッシング機構の探究液中パルスレーザーアブレーション法によるEu蛍光体の還元過程の調査近年、フェムト秒パルスによる非熱的な加工と、軟X線の短波長を組み合わせた加工技術の研究が行われている。これまで我々は、シリコンの酸化物である二酸化ケイ素について、レーザ加工縁に顕著なリム構造を有しない加工痕を報告し、その低いレーザ加工閾値をエネルギー準位に基づき説明してきた。シリコンの酸化物である石英ガラス材料は特にエレクトロニクスにおいて重要な材料であり、それらの微細加工は例えば半導体製造プロセスにおいてキープロセスとなる。同時に、高い誘電率および熱伝導率を有するサファイアもまた重要な材料として挙げられる。本研究では、酸化物結晶であるサファイア結晶に対して、軟X線波長の自由電子フェムト秒レーザを用いた加工を行った。その中で、その加工特性を明らかにするとともに、世界に先駆けてサファイア結晶のサブナノ級の微細加工パターニングを達成したのであわせて報告する。我々の生活を支えている白色LEDには蛍光体と呼ばれる発光材料が応用されており,デバイスの発光特性を決定づける根幹的な役割を担っている.その中でも希土類元素の1つであるEuイオンを発光中心としたEu蛍光体が注目されており,その特性を遺憾無く発揮するためのEuイオンの価数制御の技術が必要不可欠となっている.そのための技術として,本研究では液中パルスレーザーアブレーション法による光還元に着目し,その過程をモデル化することを目的として研究を実施した.レーザーフルエンスに対するEu2+のPL積分強度の結果から,光還元には2つの光子が関与していることが示唆された.それぞれの光子の起源はEu3+-O2-のCTにより正孔の生成と電荷補償欠陥の励起による電子の生成であると結論付け,それらの再結合による光還元過程のモデルを提唱した.
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