天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2021228-C2奨励研究助成(若手研究者枠)AF-2021229-C2奨励研究助成(若手研究者枠)円偏光発光材料,ガラスのレーザー加工キラリティ選択的結晶化,光渦レーザー,結晶化ガラスkazuro.kizaki.a3@tohoku.ac.jp積層造形チタン合金,レーザ積層造形,集合組織kariya.shota.jwri@osaka-u.ac.jp東北大学 工学研究科 応用物理学専攻 助教大阪大学 接合科学研究所 講師木崎 和郎刈屋 翔太− 52 −レーザプロセッシングレーザプロセッシング円偏光および光渦レーザーを用いたキラル結晶化ガラス蛍光体の作製法の開発微量元素添加によるチタン積層造形合金における 結晶組織の等方化機構と強化機構の解明セラミックス円偏光発光材料の効率的な作成を目指して、本研究では角運動量を持った光である光渦レーザーを用いて、LaBGeO5ガラスのキラリティ選択的結晶化を試みた。ガラスにCO2レーザーを照射し加熱することによって、マイクロメートルオーダーの大きさの結晶が析出した。レーザーの照射パワーを1.4W以上に上昇すると、結晶成長が促進されることが示唆された。析出結晶の顕微Raman散乱測定から、析出した結晶はキラルセラミックスLaBGeO5であると同定した。光渦レーザー照射によって析出した結晶の偏光顕微鏡観察から、光渦の照射が析出結晶のキラリティに影響を与えている可能性が示唆された。今後、析出結晶のキラリティに対する光渦の影響が統計的に優位であるかどうかを確認すると共に、円偏光を照射した場合の影響も明らかにする予定である。Ti64積層造形合金の集合組織の微細化を目的に,造形ステージに冷却機構を導入し,これが組織形成と引張特性に及ぼす影響を調査した.高温の部材にレーザを照射するとコンダクティブ状の溶融地が形成されるが,室温の部材にレーザを照射するとキーホール状の溶融地が形成され,底部での凝固方向が大きく変化することを明らかにした.通常,Ti64合金の造形試料の集合組織は粗大な柱状で(001)配向をもつ.これに対して,冷却ステージを用いて造形することで,その集合組織は微細で配向が無秩序化した.これは,溶融池がキーホール状に変化したために,その凝固方向が変化し,非連続的に凝固したためと考えられる.また,内部に形成される針状α-Ti結晶粒は微細化した.これに伴って,延性の低下を伴わずに,YSは180 MPa,UTSは165 MPa増加した.

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