AF-2021212-B2一般研究開発助成AF-2021213-B2一般研究開発助成レーザー非線形界面計測,レーザーデバイス表面界面,非線形分光,アモルファス層解析toshiki-sugimoto@ims.ac.jp金属積層造形,コーティング技術付加加工,レーザ金属積層,コーティングkakinuma@sd.keio.ac.jp自然科学研究機構 分子科学研究所 物質分子科学研究領域 准教授慶應義塾大学 理工学部・システムデザイン工学科 教授杉本 敏樹柿沼 康弘− 50 −レーザプロセッシングレーザプロセッシング光学材料接合界面の非線形分光計測による High-speed laser material deposition(HS-LMD)による 次世代マイクロチップレーザーデバイスの高度化高硬度鋼コーティングの現象解析これまでの二次非線形光学効果に立脚した和周波発生(SFG)分光などの非線形分光法では,固体と固体の埋没界面接合系の観測を行うことが困難であった。SFG過程においては固体フォノン・格子振動の運動励起に赤外光やテラヘルツ光が必要となるが、振動共鳴するそれらの光は固体のバルクに吸収され透過できないという問題が立ちはだかる.そこで本研究では、バルクによる吸収ロスが避けられない『赤外・テラヘルツ光による格子運動の1光子直接励起』に立脚した従来のSFG分光の計測方法論を脱却し,吸収ロスなくバルクを透過できる2種の可視・近赤外領域の光(ω1光、ω2光)の多光子過程を用いて、表面界面系の格子振動(Ωvib)を共鳴励起する分光方法論の開発に取り組んだ.本稿では,このような次世代表面界面分光法の開発成果,ならびにマイクロチップレーザーデバイスとして重要な物質系への展開結果を報告する。金属3Dプリンティング技術の一つである指向性エネルギー堆積方式(DED方式)は三次元造形だけでなくコーティング技術としても応用が期待されている.DED方式を応用した新たなコーティング技術としてHigh-speed laser material deposition(HS-LMD)が提案され,従来よりも薄い金属膜を形成できることから注目を集めているが,詳細な現象解析がなされていない.そこで本研究では,高速度カメラによるHS-LMDプロセスの現象解析,および実験的解析により形成される肉盛り層の特性を評価することを目的として,研究を実施した.高速度カメラによるメルトプール観察の結果,ヘリカルギヤのような複雑な形状においても,レーザパワーを適切に調整することで良好なメルトプールが形成されることがわかった.また,実験的解析により,レーザノズルの位置によって,コーティング層の付き具合や幅が異なることがわかった.
元のページ ../index.html#52