天田財団_助成研究成果報告書2024
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キーワード:材料モデリング,板鍛造,せん断変形 ■ ■・ ■発表概要■■2.開催場所 ■フランス■トゥールーズ■Pierre Baudis Congress Center 3.国際会議報告 ■・■■会議概要■本国際会議は,ESAFORM(The European Scientific Association for Material Forming)が主催する材料加工の国際会議であり,年に1回,毎年4~5月頃に開催される.今年は,フランスのトゥールーズにて,P. Olivier教授,F. Schmidt教授,F. Chabert教授,A.C. Araujo教授を実行委員長として開催された.428名が参加し,フランス,ドイツ,イタリア,ベルギー,日本の順で参加者が多く,日本からは20名の参加者であった.15個のミニシンポジウムで構成され,317件の論文発表がなされた.論文はMaterials Research Proceedingsに収録され,無料で公開されている.23日(火)および26日(金)にはエアバス社の航空機組み立て工場の見学ツアーが企画され,計200名が参加した.2日目の夕刻には総会が開催され,ESAFORM理事の選挙結果および新会長(K. Mocellin教授)の発表などがなされ,新旧会長の挨拶が行われた. 謝■辞■参考文献 1.開催日時 ■ ■ ■年■月 ■日ff水■~ ■日ff金■■東海国立大学機構■岐阜大学■工学部■機械工学科■( ■ ■年度■国際会議等参加助成■■■■ ■ ■■■■■■ ) 助教■箱山■智之■自動車部品などに広く用いられている.筆者らはこれまで,単純な板鍛造である板厚に対する直径が大きな円板圧縮試験を対象に実験結果とシミュレーション結果を比較した2).シミュレーションによって実験結果を定性的に表現できるものの定量的には乖離が見られた.板鍛造加工は加工面圧が大きく金型弾性変形も大きくなることから,金型形状の最適設計にはシミュレーションの活用は不可欠であり,トライ・アンド・エラーレス生産を実現するためには,シミュレーションのさらなる高精度化が必要である. 鍛造加工の主たる変形モードはせん断変形であり,板鍛造加工では,大きな板厚方向のせん断変形が加わる.そのため,シミュレーションの高精度化のためには,板厚方向のせん断変形を評価することが必要である. 板厚方向せん断変形を付与できる試験片を設計し,熱間圧延軟鋼板からその試験片を切り出した.引張試験によりせん断変形を加えるとともにその挙動をデジタル画像相関法により観察した.その挙動を有限要素シミュレーションにより再現し,誤差が最小化するようにHillの2次降伏関数の異方性パラメータを決定した.そして円板圧縮シミュレーションを行いその影響を評価した.その結果以下の結論を得ている. (1) 開発した試験法により,板厚方向せん断ひずみは曲線を用いて同定した. 板厚方向のせん断変形と面内せん断変形の差異および本試験法の特徴について質問が多く寄せられ,議論を深めた. ■本国際会議へ参加するにあたり,公益財団法人天田財団より国際会議等参加助成を頂きました.厚く御礼申し上げます.■1) 昨今の研究動向と同様,積層造形に関するミニシンポジウムが活発であり,最多の46件の発表があった.次いで参加者の多かったミニシンポジウムは金属材料の成形性に関するセッションであり,40件の発表があった.本シンポジウムは,当該分野をこれまで牽引してきた,D. Banabic教授,F. Barlat教授,桑原利彦教授の記念シンポジウムとして開催されており,筆者もそのセッションで発表を行った. 次回の本国際会議(ESAFORM2025)は,2025年5月7日~9日にイタリアのパエストゥムにて,開催される予定である. ■筆者らは,「軟鋼板の板厚方向せん断変形測定」のタイトルの発表を行った1). ■板成形と鍛造加工のハイブリッド加工法である板鍛造加工は,複雑形状な製品をプレス加工で成形可能であり,0.02まで加えることができた. (2) Hill '48降伏関数のパラメータをせん断ひずみ-変位(3) 同定した異方性パラメータを用いて円板圧縮シミュレーションを行った.板厚方向のせん断異方性は円板圧縮の変形挙動に大きく影響した. T. Hakoyama, C. Hakoyama, D. Furusato:Measurement of shear deformation behavior in thickness direction for a − 485 − ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(■■■■■■■ ■ ■)■

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