天田財団_助成研究成果報告書2024
483/508

2.開催場所■ 3.国際会議報告■■■ ■TMSのAnnual Meetingは,アメリカ合衆国の金属学会と資源学会と材料学会が合同で開催する大規模な国際会議である.Electronic, Magnetic, and Energy Mmaterialsに関するテーマでElectronic Materialsは“Electronic Packaging and Interconnection Matetials”と“Phase Stability, Phase Transformations, and Reactive Phase Formation in Electronic Matetrials XXⅢ”の2つのセッションで行われた. キーワード:超塑性変形,■■■■■合金,低融点はんだ  ■ ■年■月■日~ ■ ■年■月■日■アメリカ合衆国・オーランド ■■■■会議概要■■■ ■発表概要■“Phase Stability, Phase Transformations, and Reactive Phase Formation in Electronic Matetrials XXⅢ”は4日~6日に開催され,6日に、セッションオーガナイザーの大阪大学西川先生から講演を依頼されて『Superplasticity Deformation of Sn-Bi Based Solder Alloys』と題して招待講演を行った.内容は以下の通りである. ■近年低融点はんだ接合は,CO2削減や省エネの観点から求められているとともに,熱に弱い素材やフレキシブル基板などの接合への応用展開などから注目が集まっている.低融点はんだの代表に融点139℃のSn-Biはんだが挙げられるが,脆性的なBi相の存在ゆえ,機械的特性に難点がある.そのため,添加元素による延性改善などが研究されている.本研究では,Sn-Bi合金の超塑性変形に着目し,その機械的特性の改善を検討している.この超塑性変形がどのような添加元素によって生じるか、添加元素による超塑性変形挙動の差異を明らかにすることを目的として,引張試験や組織観察により調査・検討した. 供試材はSn-40 mass%Bi-0.1 mass%Zn, Sn-40 mass% 1.開催日時■謝■辞■群馬工業高等専門学校■機械工学科■( ■ ■年度■国際会議等参加助成■■■■ ■ ■■■■■■■)■教授■山内■啓■Bi-0.5 mass%Zn,Sn-40 mass%Bi-1.0 mass%Zn合金およびSn-40 mass%Bi-1.0 mass%Sbを用いた(以降,mass%を省略).純Sn,Sn-58 Bi,Sn-9 Zn,およびSn-5 Sb合金を秤量し,350℃に保持した電気炉内で融解させた後鋳造した.その際,Cu鋳型(急冷)とセラミックス鋳型(空冷)および電気炉内での冷却(炉冷)と異なる冷却速度での鋳造を行った.これらの合金から粉末を作製し,0.5 ℃/min,1 ℃/min,2 ℃/min,5 ℃/min,10 ℃/min,30 ℃/minの6条件で示差走査熱量測定(DSC測定)を行い,固相線温度,液相線温度を求めた.また,作製した合金を樹脂埋め・(1) Snの結晶粒径が数µmであるSn-Bi-Zn合金およびSn-Bi-Sb合金では60℃以上の温度でひずみ速度感受性指数が0.3を超えて,超塑性変形を示すことが明らかとなった. (2) Sn-Bi-Zn合金では,Zn濃化相が細かく分散する組織で超塑性変形が生じやすい傾向を示し,Sn-Bi-Sb合金ではSbが全体に均一に分布するよりSbが偏析している組織で超塑性変形が生じやすい傾向を示した. 湿式研磨・バフ研磨・コロイダルシリカによる精研磨したのちに,光学顕微鏡・走査電子顕微鏡(SEM)により組織観察を行った.鋳造したものをフライス加工・放電加工によりISO20032に基づいたR型試験片を作製した.引張試験機はAUTOGRAPHを使用し,試験時に熱電対を用いて試験片表面の温度および治具の温度測定を行った.温度80℃,クロスヘッドスピード7.56,7.56×10-1,7.56×10-2 mm/minの3条件で引張試験を行った.その結果を基に,真応力と真ひずみ速度を両対数プロットし,その傾きからひずみ速度感受性指数を求めた. 得られた主な結果は以下の通りである. ■今回の国際会議への参加に際して,公益財団法人天田財団より2023年度国際会議等参加助成を賜りました.ここに深く感謝申し上げます. − 481 −■■■ ■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

元のページ  ../index.html#483

このブックを見る