天田財団_助成研究成果報告書2024
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1.開催日時2.開催場所3.国際会議報告■■■会議の概要The Minerals, Metals & MaterialsSociety(TMS)は,産業界・学界・政府機関で所属する鉱物・金属・材料の科学者やエンジニアをつなぐ専門協会である.また,TMS年次総会および展示会は,世界中の専門家が交流し,知識や技謝辞2024年3月3日~7日HyattRegency Orlando,Orlando,Florida,USAキーワード:超微細粒純チタン,加工熱処理,動的冶金現象,曲げ特性術を共有するためのプラットフォームを提供する.これは材料科学分野において世界最大規模の国際会議である.TMS2024Annual Meeting & Exhibitionでは,11のカテゴリ(3Dプリンタ,先進的な特性評価方法,生体材料,データ駆動型および計算材料設計,電子・磁性およびエネルギー材料,軽金属,材料の劣化およびデザインによる劣化,材料の合成と加工,材料力学,原子力材料,特集)が設けられた.図1会場での朝食会の光景■■ 発表概要「Advanced in Titanium Technology」シンポジウムにおいて,2024年3月6日の第一セッションで「Ultrafine grain formation and mechanical properties in commercial pure titanium through thermomechanical processing near βtransus temperature」というタイトルで発表を行った.この研究では,βトランザス温度近傍での大圧下加工熱処理により,公立小松大学生産システム科学部( ■ ■年度国際会議等参加助成■■■ ■ ■■■■■■■)准教授朴亨原加工誘起動的相変態(β→α)および動的再結晶の影響に焦点を当て,超微細粒の形成とその機械的特性を探求した.具体的には,加工温度700-1000°C,ひずみ速度1s−1,圧下率70%で熱間圧縮試験を実施し,加工組織を凍結させるため,圧縮直後に水冷した.流動応力は,加工温度が800°Cから900°Cに上昇するにつれて顕著に減少した.また,この加工温度の範囲では,2-4μmの等軸超微細粒が形成された.超微細粒の形成メカニズムは,800°Cでは動的再結晶によるものであり,900°Cでは動的再結晶と加工誘起動的相変態(β→α)の組み合わせであった.代表的な加工材である700・900・1000°Cと出発材を用いてV曲げ試験を行った結果,700°Cの試験片の降伏荷重が最も高く,加工温度が900°Cから1000°Cに上昇するにつれて,降伏荷重は顕著に減少した.一方,スプリングバック量は増加した.加工温度700°Cでは超微細粒による高強度化,加工温度1000°Cでは,粗大粒と残留β相によって強度の低下とスプリングバック量の増加に寄与したことが明らかになった.本国際会議の参加には公益財団法人天田財団の国際会議等参加助成のご支援をいただきました.ここに厚く感謝申し上げます.図2発表のシーン− 475 −■■■■ ■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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