天田財団_助成研究成果報告書2024
476/508

International Convention Center, Jeju, Korea1.開催日時・場所2.開催場所3.国際会議報告謝辞参考文献キーワード:軽金属,インデンテーション,疲労破壊 ■ ■年■■月■■~■■月 ■日■.■会議概要環太平洋先端材料とプロセシング国際会議(Pacific Rim International Conferenceon Advanced Materials and Processing,PRICM)は,環太平洋の材料系学会であるCSM(中国),JIM(日本),KIM(韓国),MA(オーストラリア),TMS(アメリカ)が共催している.PRICMは3~4年に1度開催され,第1回の1992年から30年以上継続している歴史ある国際会議である.今回は11回目(PRCIM11)であり,韓国の済州島で開催された.会議では,産業界および学術界から先進材料とプロセッシングに関する発表を行い,材料研究開発の現状と将来展望ついて議論することを目的としている.PRCIM11では,20か国から1,000件を超える発表が行われた.■. 発表概要筆者は,「Ball indentation behaviorin magnesium single crystals」の題目で口頭発表を行った.マグネシウムは六方晶構造を有しており,変形に強い結晶方位依存性を持つことが知られている.筆者ら1)は,純マグネシウム単結晶の低指数面に球圧子圧入試験を行い,活動するすべり系,圧痕形状および双晶には結晶方位依存性があることを報告してきた.そこで,純マグネシウム単結晶の低指数面以外の方位の圧痕形状と荷重-変位曲線の変化について系統的に調査を行った.改良型ブリッジマン法により純マグネシウム単結晶を作製した.低指数面の(0001),(100)および(110)に加え,それらの間の方位を15度ずつに等分し,合計14種類の単結晶を作製した.計装化硬さ試験機による球圧子圧入試験を行い,圧痕形状と荷重-変位曲線を定量的に評価した.その結果,圧痕周辺に生じる{102}双晶のバリアントの数と圧痕のアスペクト比は,(0001)からの傾斜角で変化することが分かった.荷重-変位曲線の傾きおよび圧痕深さにもまた結晶方位依存性があることを報告した.今回の会議では,熊本大学自然科学教育部材料・応用熊本大学先進マグネシウム国際研究センター( ■ ■年度国際会議等参加助成■■■ ■ ■■■■■■■)准教授北原弘基化学専攻2年藤田千穂が同行し,「Fatigue fracture behavior of aluminum foils」の題目でポスター発表を行った.アルミニウム箔は,リチウムイオン電池の正極集電体として使用されているが,その疲労特性に関する研究は少なく,統一的な見解が得られていない.そこで,工業用純アルミニウム箔およびアルミニウム合金箔の疲労特性の比較を行った.工業用純アルミニウム箔は1085と1N30,アルミニウム合金箔は,8021と3003を準備した.箔の厚さは全て15µmである.疲労試験は,室温,繰り返し周波数10Hz,応力比0.1の条件で107回まで行った.その結果,疲労強度は0.2%耐力の傾向と一致して,3003が最も高い疲労強度を示した.全てのアルミニウム箔において,疲労き裂は表面から導入し,その後急速に破断に至ることが明らかとなった.図1PRICM11会場にて,同行大学院生と著者.本国際会議への参加にあたり,公益財団法人天田財団より国際会議等参加助成を受けました.ここに深く感謝申し上げます.■)Kitaharaet al.: Acta Mater. 78(2014), 290-300.− 474 −■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

元のページ  ../index.html#476

このブックを見る