3.国際会議報告 キーワード:鍛造,ねじり,塑性流動,中空部材 ■2.開催場所 ■フランス■マンドリュー・ラ・ナプール■Congress and 1.開催日 ■ ■ ■年■月 ■日ff日■~ ■日ff金■■謝■辞 参考文献 Exhibition Center ■■■■会議概要■本国際会議は1984年(東京,第1回)以来,3年毎に開催される塑性加工に関する最大の国際会議であり,「塑性加工のオリンピック」と称される.第14回となる今回はフランス・マンドリュー・ラ・ナプールにて,P.-O. Bouchard教授(パリ国立高等鉱業学校)を実行委員長として対面開催された. 今回の参加登録者は559名であり,参加国は中国(113名),ドイツ(101名),フランス(99名),日本(69名),韓国(35名)など20カ国以上におよび,講演発表件数は口頭発表370件,ポスター発表34件であった.ほかにキーノート講演7件,ワークショップ2件があり,最終日には4コースに分かれての工場見学が実施された.企業所属の参加者が100名以上あり,産業界に密接な研究分野であることがあらためて認識された.前回(13th ICTP,2021年,アメリカ合衆国,Web開催)と比較して,総参加者数は約150名増加,日本からの参加者数は微増,開催国以外の主要参加国からの参加者数に変化はなかったが,中国から参加者数が増加した.ただし,前々回(12th ICTP,2017年,イギリス,対面開催)と比較すると,日本からの参加者が減少したことは懸念点の1つである. 講演発表分野は塑性加工の全分野におよび,今回は特別セッションのテーマ内容の影響を受け,材料モデリング分野の講演発表が多数あった.また今回から日本塑性加工学会の主催により若手講演発表者を対象に「JSTP Award for Young Researchers」が設定され,3名に授与された.会議論文集は「Current Trends in the Technology of Plasticity」と副題がつけられ,Springer社「Lecture Notes in Mechanical Engineering」シリーズの1つとして4冊組で発行された.参加者には電子ファイルが期間限定で無料ダウンロード配布(参加者以外には電子ファイル,冊大阪大学■大学院工学研究科■マテリアル生産科学専攻 ( ■ 年度■国際会議等参加助成■■■■ ■ ■■ ■■ )■准教授■松本■良 1) R. Matsumoto, S. Tanaka and H. Utsunomiya: Reduction in Barreling of Hollow Cylinder by Combination of Axial Compression and Circumferential Torsion in Upsetting with Conical Dies, Proceedings of the 14th International Conference on Technology of Plasticity – Current Trends in the Technology of Plasticity (ICTP 2023), 1(2023), pp. 27-35. 子体が販売)された. なお,次回(15th ICTP)は2026年10月,J.W. Yoon教授(韓国科学技術院)を実行委員長として大韓民国・済州島にて開催されることがBanquetおよび閉会式の席上にて発表された. ■■ ■発表概要■筆者が本国際会議で口頭発表した論文は「円錐状工具を用いた円筒の据込み鍛造における軸方向圧縮と周方向ねじりの付加によるたる形変形の低減」1)である.筆者らは鍛造プロセス中のねじり付加の効果について調べており,これまでに軸方向荷重の低減や塑性流動方向の変化について報告している. 本発表ではA1070アルミニウム円筒素材の冷間据込み鍛造を対象に,軸方向圧縮中の周方向ねじり付加のたる形変形の低減効果について報告した.ねじり/圧縮速度が5°/mm以下の一方向ねじり付加ではたる形変形(高さ方向中央部直径>端面部直径)は低減する一方,6°/mm以上のねじり付加ではつづみ形変形(高さ方向中央部直径<端面部直径)が生じた.また有限要素解析により,ねじり付加による塑性流動方向の変化とたる形・つづみ形変形の関係を考察した.そして,ねじり速度の制御(一時停止,再始動の繰り返し)により,たる形・つづみ形変形を制御し,高さ方向中央部直径/端面部直径を0.97~1.01の範囲で圧縮率50%まで変形させることを示した. 本発表に対して,他のねじり援用加工との差異や実用部材への応用の可能性に関する質問を受けた. ■本国際会議への参加にあたり,公益財団法人天田財団より助成を受けた.ここに厚く御礼申し上げる. − 462 −■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■ ■ ■■■
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