天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2020226-B3一般研究開発助成AF-2020227-B3一般研究開発助成アディティブマニュファクチャリング,切削加工,残留応力金属積層造形,レーザ,切削加工ezura.atsushi@sanjo-u.ac.jp機能性材料合成,エピタキシャル成長レーザー蒸着法,機能性材料,分子動力学計算satoru@kistec.jp三条市立大学 工学部 技術・経営工学科 准教授神奈川県立産業技術総合研究所 電子技術部 統括専門研究員江面 篤志金子 智− 43 −レーザプロセッシングレーザプロセッシング金属粉末床積層法により作製した金属材料の異方性の制御法と 炭酸ガス中のレーザー蒸着法による新機能性材料の合成レーザアシスト加工による高精度仕上げ加工技術の確立金属粉末を出発点とした粉末床溶融結合法(PBF-LB/M)では偏ったレーザ走査方向をもったレーザ走査パスを用いて製作された積層体は,異方性を有することが報告されている.特に,レーザ走査方向に平行に引張の残留応力が発生し,それに直交する方向では圧縮の残留応力が発生することが明らかとなった.そこで,本研究では,積層体の異方性の緩和を目指し,1層ごとにレーザ走査方向が15degおよび45deg変化するレーザ走査パスを導入した.その結果,いずれの走査パスを用いた場合では,当方的な残留応力分布が形成されることが明らかとなった.さらに異方性を有する積層体の旋削加工実験を実施した結果,切削力の周期的な変動が見られた.一方で,レーザアシスト加工を実施した結果,周期的変動を抑制できることを見出した.さらに高出力のレーザを用いた場合には,カール形状の切りくずが生成され,すくい面摩耗を抑制できる可能性が示唆された.シリコン基板と目的材料の選択においては、コーネル大のSchlomらが80種類以上の酸化物とシリコンとの熱的平衡について包括的に調べてあり、バイブル的な存在となっている。しかし、このバイブルには結晶学的な考察は一切なく、化学的安定性のみを考察している。本研究ではターゲット材料に対する基板上での安定性を吸着エネルギーで考察し、結晶成長方向の予測を行った。更に、実際にレーザー蒸着法を用いて製膜を行うことで実証を行っている。また、吸着エネルギーを用いる手法をグラフェン製膜にも応用することで、グラフェン成長に最適な基板の選択が可能になった。また、グラフェンに関してもレーザー蒸着法により実際に製膜を行っている。

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