キーワード:運動機構,ロボティクス,構造の製造 2.開催場所 東京(新宿京王プラザホテル) 3.主催機関名 International Federation for the Promotion of 4.国際会議の実施報告 謝 辞 参考文献 Mechanism and Machine Science(IFToMM) 第16回 IFToMM World Congressを東京新宿京王プラザホテルで開催した.IFToMM(International Federation for the Promotion of Mechanism and Machine Science)は,機構と機械科学に関する国際学術団体であり,46の国と地域が参加している.World Congressは4年に一度開催され,機構や機械の科学に関する最新の研究成果の発表やキーノートスピーチ,チュートリアルなどが行われる.また,単なる学術講演会に留まらず,会期中にIFToMMの総会や技術委員会,分野横断委員会などの開催を通して様々な議論や意見交換が行われ,各国・地域の研究者の学術ネットワーク構築の促進の役割も担う.技術的な面では鍛造や圧延,積層造形,撹拌摩擦接合を含む溶接・接合技術,核融合に使われる材料技術,モデリング/シミュレーション,中性子散乱やX線による界面・粒界の研究,等が含まれる.以上からも分かる通り,本会議の対象となる分野は非常に多岐にわたる. 今回のWorld Congressでは機械学習などの情報工学分野の技術に関するチュートリアルも行われ,ハードウェア中心の科学・工学分野との融合が図られた.開催規模としては,テクニカルセッションに405件の投稿があり,参加者は世界37ケ国530名(海外402名,日本128名.同伴者は除く)であった.初日のチュートリアルでは,ハンズオンで機械学習プログラムを実装するセッションや,産業界からエンジンとパワートレインに関するシミュレーションのセッションなどが行われた.会期中のキーノートスピーチはYonsei UniversityのProf. Dae-Eun Kim,東京工業大学の阪口啓教授,IIT KanpurのProf. Avinash 1.開催日時 2023年11月5日~2023年11月10日 国立大学法人 東京工業大学 (2022年度 国際会議等準備及び開催助成 AF-2022038-V1) 岩附 信行 Agarwal,University of Illinois at Urbana-ChampaignのProf. Nancy Amatoの4件であり,参加者からはIFToMMの関連分野および周辺分野に関する新たな視座を得たと好評であった.特に,塑性加工に関する研究発表としては,一枚の薄板を打ち抜き,折り曲げ加工ならびに板を弾性変形させて得られる,従来の軸受等の機械要素を必要とした空間パラレルマニピュレータの研究などが眼を引いていた. 総会では次期会長などの役員や次回のWorld Congress開催地が各国・地域の投票によって選出された.次回2027年の開催国はブラジルである.また,IFToMM本部の表彰式が行われ,各種受賞者は参加者の賞賛を受けていた. このほか,IFToMM内に組織された常任委員会(Permanent Commissions),技術委員会(Technical Committees),分野横断委員会(Cross-Disciplinary Groups)における議論も行われ,科学・工学分野で極めて重要な基盤分野,産業構造の根幹への強い貢献があった.学術・研究に関する交流に留まらず,科学史,教育方法,産業応用などにも至っており,産業界から機器展示を開催した.このような機会に次世代を担う若手研究者を対象としたWorld Congressへの参加渡航支援制度も設け,16名の渡航支援も行った.こうした次世代の研究者ネットワーク構築の手助けは,昨今の混沌とする世界情勢の安定に寄与する機械工学の学術ネットワークを構築する意味でも意義深い. コロナ後初の日本開催のWorld Congressでさらに世界のIFToMMネットワークを強固にすることができたものと考えている. 本国際会議の開催にあたり,公営財団法人天田財団の第1回国際会議等準備及び開催(塑性加工)の助成をいただき,その全額を国際会議会場費の一部として充当することができ,無事に開催ができました.ここに深く感謝の意を表します. The 16th IFToMM World Congress Program Book − 445 − (The 16th IFToMM World Congress) The 16th World Congress of the International Federation for the Promotion of Mechanism and Machine Science
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