天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2020224-B3一般研究開発助成AF-2020225-B3一般研究開発助成レーザー加工,ラマン分光,分子検出,医療デバイス金属/ガラス複合材料,局所プラズモン共鳴,ガラス転移Satoru.Shoji@uec.ac.jpレーザー加工宇宙推進,タングステン合金,レーザ溶融積層造形kiyoshi.kinefuchi@mae.nagoya-u.ac.jp庄司 暁杵淵 紀世志− 42 −レーザプロセッシングレーザプロセッシングキーワード連絡先メールアドレスキーワード連絡先メールアドレス[応用分野]電気通信大学 情報理工学研究科基盤理工学専攻 准教授[応用分野]名古屋大学 工学研究科航空宇宙工学専攻 准教授レーザー光照射と応力印加を用いた金属/ガラス複合材料のナノ構造形成法の開発薄肉タングステン合金のレーザ溶融積層造形法の開発と 宇宙エンジン用電熱ヒータへの応用本研究では、レーザー光照射による局所的加熱と引っ張り応力印加を同時に行い、マイクロ/ナノスケールの微細なガラス構造を作製する原理の実証と、最適な加熱・延伸の条件の検証を行った。試料には断面が円形のシリカガラス管を用い、二段加熱・延伸とレーザー光強度のその場変調によって、直径400nm、長さ約6cmのガラス管を作製した。構造内部を金属ナノ粒子で修飾し、局所プラズモン共鳴による光学的特性を付加する簡便な手法について2つの手法を提案し実験を行った。内部を金属ナノ粒子で修飾した微細ガラス管を試料容器かつ光導波路として用いた表面増強ラマン散乱分光法を開発した。ローダミン6Gをテスト試料分子として用い、1.0×10-9L程度の体積で1.0×10-9mol/Lの低濃度の水溶液からラマンスペクトルを取得した。本手法は、環境水からの汚染物質の検出や、各種食品、化粧品等の品質評価などに応用が可能である。宇宙用エンジンの高性能化を目指し、三次元積層造形(SLM)による高温電熱ヒータの開発を進めた。純タングステンの高温下での強度低下に対し、酸化ランタンとの合金化を試みた。SEMとIPFマッピングにより、酸化ランタン・タングステン合金が高温処理後の結晶粒粗大化を抑制することを確認した。1600℃での高温引張試験では、純タングステンと比較して引張強さの低下が軽減され、積層造形品にもかかわらず、純タングステンのバルク材と同等の引張強さを示した。この合金を用いて多層ヒータを造形し、窒素ガスを用いた噴射試験を実施した。1633Kでの作動後もヒータの健全性が確認され、高温用途での優位性が示された。今後はさらに高温での試験を継続し、性能検証を進める計画である。

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