天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2020222-B3一般研究開発助成AF-2020223-B3一般研究開発助成レーザー加工超短パルスレーザー, パルス幅,繰り返しレートd.yoshitomi@aist.go.jp微粒子合成光渦,レーザーアブレーション,ナノ・マイクロ粒子dnakamura@ees.kyushu-u.ac.jp吉富 大中村 大輔− 41 −レーザプロセッシングレーザプロセッシングキーワード連絡先メールアドレスキーワード連絡先メールアドレス[応用分野]国立研究開発法人産業技術総合研究所 電子光基礎技術研究部門 主任研究員[応用分野]九州大学 大学院システム情報科学研究院 准教授自動パラメータ可変技術による超短パルスレーザー加工の 光渦レーザーを用いた機能性ナノ・マイクロ粒子合成技術の開発パルス幅・繰り返しレート依存性の広域連続的分析本研究では,我々が開発したパラメータ自動可変レーザー加工装置を利用して,金属・ガラス材料を対象にパルス幅・繰り返しレートの広域連続的な分析を行った。銅・アルミ・ステンレス(SUS304)の穴あけ加工のレートはパルス幅が長くなるにつれて減少するが,アルミやステンレスについては極小点があることが分かった.長パルスでは加工痕周囲に熱影響とみられる溶融再固化によるリム発生が観測された.また,アルミでは高繰り返しで加工レートが増加する傾向が見られ,蓄熱の影響などが考えられる.繰り返しレートによって,デブリ発生量にも違いが見られた.シリカガラス・Eagle XGの2種類のガラスの穴あけでは非線形吸収のため,加工が起きるパルス幅上限が存在した.シリカガラスの加工閾値のパルス幅依存性からは衝突電離による電子生成が支配的であることが示唆された.本研究では光渦と物質との相互作用を解明し,新しいナノ・マイクロ粒子合成技術の開発を目指して,偏光分布を評価した光渦を用いて半導体材料への照射を行い,さらに2次元輻射流体シミュレーションを行った.その結果,さまざまな半導体材料のナノ・マイクロ粒子の合成に成功した.円環状強度分布レーザー光照射シミュレーションにおいて,溶融材料が中心部に向かって隆起する様子が得られ,実験結果に対応することを確認した.また,高速度カメラを用いた観察において,Siドロップレットの直線飛翔を確認し,非対称光渦を用いることでドロップレットの飛翔角度制御の可能性を示した.さらに,レーザー光のパルスエネルギーによってマイクロ粒子の粒径制御を実証した.

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