天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2020220-B3一般研究開発助成AF-2020221-B3一般研究開発助成レーザー加工,新奇レーザー媒質レーザーセラミックス,高熱伝導レーザ媒質,ネオジウム添加サファイアyoichi.sato@spring8.or.jp整形外科,歯科等の医療用部材レーザーアブレーション,ハイドロキシアパタイト,ジルコニア,密着力,マイクロスクラッチ試験機hidehiko.yashiro@aist.go.jp佐藤 庸一屋代 英彦− 40 −レーザプロセッシングレーザプロセッシングキーワード連絡先メールアドレスキーワード連絡先メールアドレス[応用分野]理化学研究所 放射光科学研究センター 研究員[応用分野]産業技術総合研究所 電子光基礎技術研究部門 主任研究員サファイアへのNd添加による新奇高機能レーザセラミック媒質の開発研究液滴を排除したPLD法によるジルコニア基板上 ハイドロキシアパタイト成膜の密着力の温度依存性サファイアは従来の希土類添加固体レーザ媒質の数倍以上の熱伝導率を持つためNd添加サファイアレーザ装置が実現すれば加工用レーザ装置を小型高出力化することが可能であるため,レーザプロセッシングの適用分野と市場のさらなる拡大に資するものと期待される.本論文では, サファイア(コランダム構造のAl2O3)のAlサイトへのNdイオン置換法について,(1)焼成温度を1050℃以下にすること、(2)熱間等方圧プレスを利用すること、(3)Nd原料粉末の一次粒子径を小さくすることにより,焼結法を用いたセラミックプロセスで可能となることを見出し,Nd添加サファイアレーザ装置実現のための技術基盤を確立した.この手法でNd添加Al2O3粉末を合成すれば,これを原料粉末として配向制御Nd:サファイアセラミックレーザを製造することが可能である.金属製生体用インプラントは現在広く用いられているが、いくつかの問題点を抱えている。母材をジルコニアセラミックスに置き換えることで欠点を克服できるが、そのためには骨伝導性の高いハイドロキシアパタイトを高い密着力で成膜する必要がある。エクリプス型PLD法では緻密、高純度、高結晶性ハイドロキシアパタイト成膜を実現してきた。その成膜の密着力をマイクロスクラッチ試験機で評価した。その結果、成膜時の基板温度の上昇に依存して密着力も高くなる傾向が得られた。また、他の成膜方法と比較するため、成膜後にアニール処理を行うポストアニール成膜との結果の比較から、高密着力は成膜方法によらず成膜時の基板温度が高いことが必須であった。成膜と結晶化を同時に行うことができ、成膜時に高い基板温度を実現できる方法はPLD法しかなく、骨固着を伴う生体用インプラントの成膜技術として非常に有効であることを実証した。

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