天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2020202-A3重点研究開発助成 課題研究AF-2021201-A2重点研究開発助成 課題研究レーザー溶接,レーザー加工レーザー溶接,キーホール計測,マイクロライダーishii@gpi.ac.jpレーザ加工,フレキシブルエレクトロニクス,レーザ直接描画レーザ改質,レーザ誘起グラフェン,導電性微細構造terakawa@elec.keio.ac.jp光産業創成大学院大学 光産業創成大学院研究科 教授慶應義塾大学 電気情報工学科 教授石井 勝弘寺川 光洋− 37 −レーザプロセッシングレーザプロセッシングマイクロライダーによるキーホール形状のリアルタイム計測と機械学習による評価高繰り返しフェムト秒レーザパルス照射による高結晶性かつ 高導電性微細構造の直接描画マイクロライダーを用いて,レーザー溶接中のキーホール形状のリアルタイム計測と溶接レーザーのフィードバック制御を行った.また,機械学習を用いたレーザー溶接結果の解析を試みた.マイクロライダーとは,超短パルスレーザーを用いた高速の距離計測システムであり,10MSample/secでマイクロメートル分解能の距離計測を行う.溶接レーザーと計測レーザーを同軸にすることで,レーザー溶接中のキーホールの形状をリアルタイム測定可能である.報告書では,SPCC 1.0tとA6061 1.0tの重ね溶接にて,断面マクロ写真と一致する形状結果を示した.また,キーホール深さが一定になるよう溶接レーザーのパワーを制御し,溶接速度が変化し対して溶け込み深さを一定に保てることを示した.さらに,CNNを用いたキーホール深さの解析を行い,機械学習を用いた信号解析が可能であることを確認した.フェムト秒レーザパルスは高い光子密度により非線形光学効果を得ることが容易であり,熱緩和時間よりも短い時間間隔での高繰返周波数パルス列に着目すると温度上昇を得ることも可能である.この特長により,従来は難しいとされていた高分子材料を前駆体とした高結晶性の黒鉛化炭素の作製が可能である。本研究では,ポリジメチルシロキサン(PDMS)を前駆体としてグラフェン量子ドット(GQD)が作製できることを実験実証した後,その蛍光特性を調べ,官能基による影響を考察した.また,GQDに加えてSiCナノ結晶が生成できることを明らかにし,その粒径と特性を調べた.さらに,PDMSの黒鉛化において昇温速度が関係することを実験的に示すとともに,同技術を応用した電気二重層キャパシタを作製した.研究成果は,フレキシブルエレクトロニクスを含む次世代エレクトロニクスの創出に資する.

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