たLaBGeO5組成のガラスに光渦レーザーを照射することにより、キラル結晶化が起こるのかを検証した。 参考文献 謝■辞■基板表面にレーザー光を集光することで、ガラスを熔融させた。結晶析出のレーザーエネルギー依存性を検討したところ、1.4 W以上のレーザー照射によって結晶析出が促進されていることが分かった。さらに析出した結晶のRamanスペクトルを測定したところ、別途合成したLBGOセラミックスと同様のスペクトルを示した。したがって、レーザー照射によって析出した結晶は狙い通りLBGOであったと同定した。光渦レーザーの照射によって析出した結晶を偏光顕微鏡のクロスニコル下で観察し、各結晶の旋光性を評価した。最もレーザーパワーを受けて成長した結晶の旋光度は全て同じ符号を示しており、光渦の軌道角運動量と析出結晶のキラリティが相関している可能性を示唆した。今後より実験回数を増やして、キラル結晶化が統計的に優位に起こっていることを明らかにする予定である。 本研究は公益財団法人天田財団の奨励研究助成のご支援を受けて実施しました。深く感謝いたします。本研究の成果は共同して実験を担当してくださった東北大学大学院工学研究科応用物理学専攻小笠原颯平氏のご協力のたまものです。また共同研究者である同大学院工学研究科小野円佳教授と千葉大学大学院工学研究科尾松孝茂教授に深く感謝いたします。■LBGOガラスは従来の熔融急冷法によって作成し、ガラス基板両面は光学研磨した。螺旋位相板を含むCO2レーザー照射用の光学系を構築し、対物レンズを用いてガラス■■■ D. K. Kondepudi, R. J. Kaufman, N. Singh: Science, 250, ■ W. L. Noorduin, A. A. C. Bode, M. van der Meijden, H. Meekes, A. F. van Etteger, W. J. P. van Enckevort, P. C. M. Christianen, B. Kaptein, R. M. Kellogg, T. Rasing, E. Vlieg: Nat. Chem., 1 (2009), 729. ■■ M. Kuroha, S. Nambu, S. Hattori, Y. Kitagawa, K. Niimura, Y. Mizuno, F. Hamba, K. Ishii: Angew. Chem. Int. Ed., 58 (2019), 18454. S. Che, Z. Liu, T. Ohsuna, K. Sakamoto, O. Terasaki, T. Tatsumi: Nature, 429 (2004), 281. ■■ ■■ K. Toyoda, K. Miyamoto, N. Aoki, R. Morita, T. Omatsu: ■■ K. Toyoda, F. Takahashi, S. Takizawa, Y. Tokizane, K. Miyamoto, R. Morita, T. Omatsu: Phys. Rev. Lett., 110 (2013), 143603. ■■ M. Watabe, G. Juman, K. Miyamoto, T. Omatsu: Sci. ■■ K. Toyoda, H.-T. Su, K. Miyamoto, T. Sugiyama, T. ■■ V. Califano, B. Champagnon, E. Fanelli, P. Pernice, V. Sigaev, D. Zakharkin, V. Sakharov, P. Baskov: Philos. Mag., 84 (2004), 1639. ■■■ C. Coussa, C. Martinet, B. Champagnon, L. Grosvalet, D. Vouagner, V. Sigaev: J. Phys.: Condens. Matter, 19 (2007), 266220. ■■■ Y. Takahashi, Y. Benino, T. Fujiwara, T. Komatsu: J. (1990), 975. Nano Lett., 12 (2012), 3645. Rep., 4 (2014), 4281. Omatsu: Optica, 10-3 (2023), 332. Ceram. Soc. Jpn., 116 (2008), 1108. − 387 −
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