4.まとめ謝辞参考文献与の度合いを比較することで,より詳細な議論が可能となると考える.図8Pop-in発生荷重の押し込み速度依存性(a)底面押し込み(b) 柱面押し込み本研究では六方稠密(HCP)構造を有するマグネシウム(Mg)の塑性変形機構の理解の深化のため,底面と柱面へ(温度700 K)のナノインデンテーションMD解析を実施して圧子直下に生じる原子応力状態を取得し,それに基づいて転位の核生成に起因する第一pop-inの発生荷重の温度・押し込み速度依存性の予測を実施した.予測したpop-in荷重の温度・押し込み速度依存性は底面押し込み,柱面押し込みともに温度が高くなるほど,また押し込み速度が遅くなるほど低くなった.押し込み速度依存性は室温下(300 K)では極めて小さかったが,700 Kでは比較的大きく見られるようになった.柱面押し込みは底面押し込みよりもpop-in 発生荷重が小さくなり,荷重-活性化エネルギー関係の勾配が大きく,温度依存性が小さいことが明らかとなった.本研究の遂行に当たり,公益財団法人天田財団により2021年度奨励研究助成(若手研究者枠)AF-2021038-C2の支援を受けました.ここに付記し,財団および関係各位に心より深く感謝の意を表します.1)日本塑性加工学会:マグネシウム加工技術, (2004), 16.2)沼倉宏:まてりあ,Vol.37,(1998),117-124.3)Y. Sato, S. Shinzato, T. Ohmura, T. Hatano,S. Ogata:Nat. Commun.,Vol. 11,(2020), 4177.4)A. P. Thompson, H. M. Aktulga, R. Berger, D. S. Bolintineanu, W. M. Brown,P. S. Crozier, P. J. in ’t Veld, A. Kohlmeyer, S. G. Moore, T. D. Nguyen,R. Shan, M. J. Stevens, J. Tranchida, C. Trott, S. J. Plimpton: Comp. Phys. Comm., Vol. 271,(2022), 108171.5)Z. Wu, M. F. Francis,W. A. Curtin:Model. Simul. Mater. Sci. Eng.,Vol. 23, (2015), 015004.6)G. Henkelman,H. Jónsson: J. Chem. Phys.,Vol. 113,(2000),9978–9985.7)小島陽:表面技術,Vol. 44,(1993),866-873.− 383 −
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