𝑃𝑃𝑃𝑃c𝑃𝑃𝑃𝑃0.5(300)−𝑃𝑃𝑃𝑃0.5(700)面押し込みでの𝑃𝑃𝑃𝑃cの1/10であるため,柱面押し込みの荷重-活性化エネルギー曲線の勾配が非常に大きくなっていることがわかる.3.3 Pop-in発生荷重の温度・押し込み速度依存性の予測結果(Step 3結果)Pop-in発生荷重の温度依存性の予測結果として,押し込み速度50 µN/sでの温度300, 500, 700 Kの累積確率分布を図6に,押し込み速度依存性の予測結果として,温度300 Kでの押し込み速度50, 500, 5000 µN/sの累積確率分布を図7に示す.なお,横軸の押し込み荷重𝑃𝑃𝑃𝑃は臨界荷重𝑃𝑃𝑃𝑃cで規格化したもので表示している.Kでは臨界荷重𝑃𝑃𝑃𝑃c付近にて急激に立ち上がる一方で,700 Kin発生の累積確率𝑄𝑄𝑄𝑄の値が0.5となる荷重𝑃𝑃𝑃𝑃0.5(𝑇𝑇𝑇𝑇)を考え,例えば700 Kと300 Kにおけるその値の差を𝑃𝑃𝑃𝑃cで除した値(8)温度依存性に関しては図6より,両押し込み条件ともに温度の上昇に伴ってpop-in発生荷重は低くなり,温度300 では比較的緩やかに立ち上がる傾向が見られた.底面押し込みと柱面押し込みとでは温度依存性に大きな差は見られないが,温度依存性の尺度として,各温度においてpop-図6Pop-in発生荷重の温度依存性(押し込み速度50 µN/s)(a)底面押し込み(b) 柱面押し込み図7Pop-in発生荷重の押し込み速度依存性(a)底面押し込み(b) 柱面押し込みを見積もったところ,底面押し込みは0.060,柱面押し込みは0.025となり,柱面押し込みの方が温度依存性が小さいと考えられる.これは柱面押し込みの方が荷重-活性化エネルギー曲線(図5参照)の勾配が急であることから,熱的運動によって活性化エネルギーを越えることができる範囲が狭いためだと考えられる.押し込み速度依存性に関しては図7より,温度300 Kの場合では両押し込み条件ともに押し込み速度依存性はきわめて小さい傾向が見られた.そこで温度を700 Kとして押し込み速度50, 500, 5000 µN/sの累積確率分布を算出したものを図8に示す.温度300 Kの場合と比較すると,700 Kの場合では押し込み速度依存性が大きくなり,押し込み速度が遅くなるほど発生荷重が低くなる傾向が見られ,柱面押し込みの場合では底面押し込みの場合よりもわずかに押し込み速度依存性が大きくなった.以上の結果より,底面押し込み,柱面押し込みともにpop-in発生荷重は温度が高くなるほど,また押し込み速度が遅くなるほど低くなる傾向が見られた.本研究ではpop-inにおいて活動するすべり系として底面すべりのみを対象としたが,今後は柱面すべり,錐面すべりにおける活性化エネルギーを算出し,各すべり系のpop-inへの寄(温度300 K)− 382 −
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