天田財団_助成研究成果報告書2024
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は3方向の平均から89%程度であり,非常に高い割合をィングによる外挿法は,本供試材の𝜎𝜎iを定量的に評[2]低ひずみ速度(𝜀𝜀̇=1×10−6/s)の引張試験のみでは,𝜎𝜎iを正確に評価できない場合があることを示唆𝜀𝜀̇=1×10−2/𝑠𝑠での𝜎𝜎0.2に含まれる𝜎𝜎iは,RDとTD価するうえで有効な手法であることを示唆した.した.で約88%,DDで約92%と非常に高い割合を占め,その面内異方性は小さいことを明らかにした.本研究は,公益財団法人天田財団 ■ ■年度前期奨励研究助成により遂行されたものです.ここに深く感謝の意を表します.■)T.Koizumi, A.Kurumatani, M. Kuroda:Sci. Rep., )T.Koizumi, K.Ogoda, M. Kuroda:Metall. Mat. ■)A. Seeger, J. Diehl, S. Mader, H. Rebstock:Phil. ■)小泉隆行:黒田充紀:銅と銅合金,56(2017)200–■)小泉隆行:ばね論文集,65(2020)7–14.■)小泉隆行:プレス技術,60-7(2022)25–29.■)F.R.Larson, J.Miller:Trans. ASME,74(1952), ■)K. Ogawa, H.Kobayashi, K.Yoshida, F.Sugiyama:J. Soc. Mater. Sci. Jpn.,43(1994), 304–309.■)K.Ogawa, T.Nojima:J. Soc. Mater. Sci. Jpn.,37■■)N. Tsuchida, Y. Izaki, T. Tanaka, K.Fukaura:■■)N. Tsuchida, Y. Tomota, H.Moriya, O. Umezawa, ■ )J.-H. Park, Y. Tomota, S. Takagi, S. Ishikawa, T.■■)M.A. Muñoz-Morris, C. Garcia Oca, D.G. Morris: ■■)C. Watanabe, H. Hiraide, Z. Zhang,R. Monzen: J. ■■)E. Sato, T. Yamada, H. Tanaka,I. Jimbo: Mater. ■■)F. Nishijima, K. Nomura, C. Watanabe, R. Monzen: ■■)R. Monzen,C. Watanabe: Mater. Sci. Eng. A, 483–4.結言謝辞参考文献Fig. 2. Breakdown of tensile flow stress 𝜎𝜎at a plastic strain of 0.002 (0.2%proof stress, 𝜎𝜎0.2)into athermal stress component 𝜎𝜎iand thermal stress component 𝜎𝜎∗.(JIS-C5210-H)の非熱的応力成分𝜎𝜎iとその面内異方性いると言えるが,𝜎𝜎∗を一概に無視することはできないであろう.次に,𝜀𝜀̇=1×10−6/sでの𝜎𝜎0.2と𝜎𝜎iの関係について考察する.全試験条件において,𝜎𝜎iが𝜎𝜎0.2を下回ってお法は,𝜎𝜎iの定量的な評価を実施するうえで有効な手法の本供試材において,𝜀𝜀̇=1×10−2/sの𝜎𝜎0.2に含まれる𝜎𝜎i占める.𝜎𝜎0.2を構成する𝜎𝜎iと𝜎𝜎∗の比率は冷間加工によってずみ速度の𝜎𝜎0.2における𝜎𝜎iの割合が著しく低下する1,2).り,RDとTDでは明瞭な差異が確認される.本研究で用いた応力緩和試験とカーブフィッティングによる外挿一つであると言えよう.供試材に付与する相当ひずみ量で変化すると考えられる.事実,巨大ひずみ加工による工業用純アルミニウムと純銅材では,供試材に付与した相当ひずみが200%を超えるとひずみ速度依存性と応力緩和は増大し,準静的なひ応力緩和は材料内部の可動転位の増加によって大きくなることが示唆されている13~18).西畑ら19)は,圧下率33%(相当ひずみ約47%)のC5210-H板材の力学的特性を評価し,本実験結果に近い耐力や引張強さを示している.本供試材に付与された相当ひずみも同程度であり,冷間で巨大ひずみ加工が繰り返された材料のように,可動転位が内部に多く存在する状態ではなかったと推測される.これが本供試材における準静的なひずみ速度の𝜎𝜎0.2において,𝜎𝜎iが支配性を持った理由であると考えられるが,本メカニズムの解明については今後の検討課題である.本研究では,冷間圧延が施されたばね用りん青銅板について評価した.得られた結果を以下に示す.[1]著者らが提案した応力緩和試験とカーブフィッテ[3]10(2020), 14090.Trans. A,53 (2022), 2004–2017.Mag.,2(1957), 323-350.204.765–771.(1988), 1171–1177.Tetsu-to-Hagané,97(2011), 201–208.K.Nagai:Acta Mater.,49(2001), 3029-3038.Shimizu:Tetsu-to-Hagané,87(2001), 657–664.Scripta Mater., 48 (2003), 213–218.Soc. Mater. Sci. Jpn., 54 (2005), 717–723.Trans., 47 (2006), 1121–1126.J. Jpn. Inst. Met. Mater., 72 (2008), 427–432.484(2008), 117–119.− 377 −

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