4.まとめ謝辞参考文献伸びていることがわかる.また,マイクロテクスチャの方がナノテクスチャよりも強くせん断され,大きく縦に伸びている.したがって,押出材長さもマイクロテクスチャパンチが長くなったと考えられる.流れがより流れやすくなったことから均一にひずみが入り加工進展を促進させたと考えられる.また,鏡面パンチでは摩擦が大きく材料流れが流れにくくなり,ひずみが不均一に溜まる形になったと考えられる.ナノテクスチャをパンチ表面に付与することによって結晶粒変形が均質化し,局所的な塑性ひずみを蓄積せず結晶粒径を微細化できた.低摩擦な加工環境を実現できることから,加工限界の向上も期待できると考えられる.本研究では,純Mgのマイクロ後方押出しでパンチ表面にマイクロスケールの溝を付与し,パンチ表面の性状の影響を調査した.パンチ表面の溝がマイクロ押出し成形性に及ぼす影響を,押出し荷重,成形後のビレット形状,パンチへの凝着量,製品のミクロ組織分析から観察し,以下の結果が得られた.(1)マイクロ後方押出し加工の押出し荷重-ストローク線図はストロークの増加と共に徐々に増加した.押出し荷重はパンチ表面にナノテクスチャを付与することで低減した.EPMAによるパンチ表面の凝着評価から,パンチ表面にナノスケールのテクスチャを付与する事によって凝着サイズを加工スケールに適した状態まで分断する事が可能になった.EBSDによるIPF MapおよびKAM Mapから,ナノスケールのテクスチャをパンチに付与することで,材料流動性が向上し,製品内部のひずみ分布が均一化した.本研究は ■ ■年度奨励研究助成(若手研究者枠)■■■ ■ ■■■ ■■ の助成の下,研究を遂行いたしました.ここに感謝申し上げます.本研究に対して,有意義なご助言をいただきました,Northwestern Universityの堂田邦明教授,富山大学の髙辻則夫名誉教授(故),白鳥智美教授に感謝申し上げます.また,実験の遂行にご協力をいただいた,当時富山大学大学院理工学教育部の堀内俊介氏に感謝申し上げます.Fig. 8 IPF Map of the extrusion by EBSDFig. 9にKernel Average Misorientation(KAM Map)の結果を示す.KAM Mapは結晶方位差情報から測定試料の内部の残留歪などの定量評価する測定方法である.鏡面パンチは材料先端が方位差1~2°程度の緑や黄色が多いのに対して材料後端部は方位差3~5°程度の赤や黄色が多く分布していることがわかる.それに対してナノテクスチャパンチは3~5°以上のひずみが均一に入っていることがわかる.このことから,テクスチャパンチでは摩擦が低下し,材料Fig. 9KAM Map of the extrusion by EBSD(2)(3)1)Jeswiet, J., Geiger, M., Engel, U., Kleiner, M., Schikorra, M., Duflou, J., Neugebaure, R., Bariani, P.,andBruschi, S.,CIRP J. Manuf. Sci. Technol., 1-1(2008),2-17.2)Engel, U., andEckstein, R., 125-126(2002),35-44. 3)Cao, J., Krishnan, N., Wang, Z., Lu, H., Liu, W. K., andSwanson, A., ASME J. Manuf. Sci. ENG., 126-4(2004),642-652.Parasiz, S. A., Kinsey, B., Krishnan, N., Cao, J., andLi, M., ASME J. Manuf. Sci. ENG., 129-4(2007)690-697.Parasız, S. A., Kinsey, B. L., Mahayatsanun, N., andCao, J., J. Manuf. Process., 13-2(2011),153-159.4)5)6)Krishnan, N., Cao, J., andDohda, K., ASME J. Manuf. Sci. ENG., 129(2007),669-676.J. Mater. Tech., − 358 −
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