天田財団_助成研究成果報告書2024
35/508

AF-2021038-C2奨励研究助成(若手研究者枠)塑性加工ナノインデンテーション,マグネシウム,分子動力学シミュレーションyuji.sato@cem.t.u-tokyo.ac.jp東京大学 大学院工学系研究科 機械工学専攻 助教佐藤 悠治− 33 −塑性加工ナノインデンテーション中のマグネシウムの局所塑性変形挙動の原子論的解析本研究では六方稠密(HCP)構造を有するマグネシウム(Mg)の塑性変形機構の理解の深化のため,底面と柱面へのナノインデンテーションMD解析を実施して圧子直下に生じる原子応力状態を取得し,それに基づいて転位の核生成に起因する第一pop‒inの発生荷重の温度・押し込み速度依存性の予測を実施した.予測したpop‒in荷重の温度・押し込み速度依存性は底面押し込み,柱面押し込みともに温度が高くなるほど,また押し込み速度が遅くなるほど低くなった.押し込み速度依存性は室温下(300K)ではわずかであったが,700Kでは比較的大きく見られた.柱面押し込みは底面押し込みよりもpop‒in発生荷重が小さくなり,荷重―活性化エネルギー関係の勾配が大きく,温度依存性が小さいことが明らかとなった.

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る