天田財団_助成研究成果報告書2024
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VWC5μmMo5μmff■■ ■■℃維持λ■■■■■μm図10堆積層の断面組織ff■■ 次電子像ff■■■元素マッピング像5μmff■■■■■■℃維持λ■■■■■■μmff■■■■■間隔λ= 1.■■μm堆積層基材図9堆積層の硬さ分布連続条件において曲げ強さが低下した原因として,高速度工具鋼に応力が加わったとき,大きな炭化物ほど高い応力集中が生じること5)や,炭化物間の距離が比較的大きいために炭化物周辺のマトリックスに多くの転位が集積し6),炭化物にクラックが発生しやすくなったことが推察される.図6ff■■に見られる炭化物がどのように形成されたのかを検討するため,硬さ試験を行った.図9に堆積層の硬さ分布を示す.造形後に焼戻しを施した状態と造形のままの状態を併記している.グラフの横軸は基材表面からの距離である.■■間隔条件では,造形のままの状態での硬さは概ね■■■■■であり,焼戻しにより 次硬化し■■■~■■■■になった.一方,連続条件では,造形のままの状態では■■間隔条件と同等かわずかに低下する程度であるが,焼戻しをしても基材表面から ■■の範囲では 次硬化が認められず,むしろ硬さが低下する領域も認められた.高速度工具鋼の 次硬化には,遷移金属■の炭化物■ ■(■■ ■や■ ■)の析出と残留オーステナイトのマルテンサイト化が寄与する4)が,■ ■はその析出温度範囲である■■■~580℃を超えると粗大な■■■や■ ■■■に変化し7),凝集するため,硬さや曲げ強さが低下するとされている■■.図3に示した造形中の基材温度の変化を見ると,連続条件では■層目の堆積(堆積時間■■■)以降,基材の温度が600℃を超えており,既に造形されていた堆積層はそれ以上の温度に加熱されたことは明らかである.以上のことから,図6ff■■の厚いフィルム状炭化物は,遅くとも■層目以降の堆積造形に伴う熱影響により■■■等が凝集したものと考えられる.■■ 冷却速度の増加に伴う強度向上図10ff■■~ff■■に■■■℃~ ■■℃の各温度で維持した条件および■■間隔条件での堆積層の断面の反射電子像を示す.各図の下に記載したλ値はデンドライトの 次アーム間隔である(50×50μm視野の光学顕微鏡像から切断法にて測定した).■■間隔条件, ■■℃,■■■℃,■■■℃維持条件の順に冷却速度は大きくなり(表2),それとともにλ値は小さくなった.併せて,5s間隔条件において観察される層状の共晶炭化物(矢印で示す)もその面積を減じ,100℃維持条件や150℃維持条件では細く,一部不連続な線状に変化した.図11ff■■,ff■■は150℃維持条件での曲げ試験片の破面を観察した2次電子像と同視野の元素マッピング像である.曲げ試験片の表側近傍にはリバーパターンを呈した擬へき開割れが認められた.また,図11ff■■から炭化物が細い線状に分布していることがわかる.ff■■■■■■℃維持λ= 1.15μm図11■■■℃維持条件の曲げ試験片破面− 317 −

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