1.緒言2.実験方法キーワード:アディティブ・マニュファクチュアリング,工具鋼,曲げ強さ材料技術や加工技術が日々高度化する中,工業製品の製造を支える金型の使用状況はますます厳しくなり,高い耐久性が必要となっている.一方,金型の製作においては,消費者ニーズの多様化や製品サイクルの短期化に伴って,製品の設計変更に柔軟かつ短納期に対応しコストアップを抑えた加工技術が求められている.■■■(■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■)方式金属堆積造形は,レーザ光等の局所熱源を照射した箇所に金属材料を投入し,これを溶融・凝固させながら堆積して立体造形するものである.既存部品にニアネットで形状を付加できることや,基材とは異なる材料を部分的に付加できることから,上述のような金型製作におけるニーズに対応する技術として期待されている.一方,高速度工具鋼は高硬度で耐摩耗性が高いため,これを用いた金型の堆積造形については多くの報告1~3)があるが,造形の際に溶融・凝固過程を経ることから堆積層にはネットワーク状に連なった共晶炭化物が生じ,このために靭性が低いとされている2■4).本研究では,金属堆積造形による高速度工具鋼金型の靭性向上を目的に,堆積造形時のレーザ加熱条件が堆積層の炭化物分布や組織,硬さ,曲げ強度に及ぼす影響について調べた.また,有限要素法シミュレーションにより堆積造形プロセスを再現するとともに実際の金型形状を堆積造形する際の温度変化の予測を試み,レーザ加熱条件が曲げ強度に及ぼす影響について検証した. ■■堆積造形装置堆積造形にはパウダ■■■方式堆積造形装置■■■■■ ■■(ニデックマシンツール(株))を使用した.実験装置の模式図を図1に示す.レーザヘッドの先端からは波長■■■■μ■のレーザ光が照射され,基材表面に溶融池を作る.また,堆積材料である粉末はレーザ光の光軸周りに配置されたノズルから吐出され,溶融池にて堆積層を形成する.造形時の高温部を大気から遮蔽するためのシールドガスおよび粉末のキャリアガスには■■を用いた. ■ 供試材堆積材料となる粉末には高速度工具鋼(■■■■■相当)を使用した.組成を表1に示す.粒径分布は■■~150μm( ■ ■年度一般研究開発助成■■■ ■ ■ ■■■■ )新潟県工業技術総合研究所平石誠である.基材には幅■■■,長さ■■■■,高さ■■■■■の■■■■■製の板を用いた(図2).基材の■×■■■■の面を堆積面とし,長さ■■■■のビードを幅方向に■列引き,これを■層として高さ方向に■層積層して高さ■■■■■の堆積層を造形した.ビードを引く方向は一方向とした. ■■温度測定造形中の堆積層および基材の温度変化を測定した.測定器の配置,測定位置を図1■2に示す.図2基材サイズと曲げ試験片の切り出し位置図1実験装置表■堆積材料の化学組成(mass%)− 314 −■■■方式金属堆積造形により製作した金型の高靭性化に関する研究
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