天田財団_助成研究成果報告書2024
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■次に,レーザの掃引速度を変えることで造形物に対する入熱量を大きくして16層の積層造形を行った.造形条3・3純銅の積層造形における入熱制御の効果件は表2に示す様に,造形サンプル(1)は,16層すべてを掃引速度200mm/s,レーザ出力200Wで造形した条件,造形サンプル(2)は16層すべてを掃引速度50mm/s,レーザ出力50Wで造形した条件,造形サンプル(3)は,初層は掃引速度200mm/s,レーザ出力200Wとし,5層目以降は掃引速度を50mm/sとして造形した条件で,それぞれ積層造形を行った.ハッチング距離,ハッチ回転角度,層厚さ,およびシールドガス流量は表1の条件と同等である.造形後のサンプルは,造形中心で切断,樹脂埋め研磨後,断面を顕微鏡で観察を行った.その結果を図9に示す.表2入熱量を変えた造形試験の条件■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■■■■■ff ■■■■■■■■ff■■図9レーザスポットの掃引速度を変えて入熱量を変えて造形した銅造形サンプルff■■■ ■■■■■■■,ff■■■■■■■■■■■ff■■■ ■■■■■■で■層毎に■■■■■■減速図(a)のレーザの掃引速度が200㎜/sの時は,SUS基板と銅層は緻密な造形物が形成されているが,積層総数が増加するほど空隙やボイドが増加していることがわかる.一方,図(b)の様に掃引速度が50mm/sと入熱量が高い場合では,SUS基板界面でクラックや層間剥離が見られるもの■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ffff■■■■■■■■■■■ ■■■■ ■■■ff■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■■■■■■■■■■の,上層での空隙が減少した.次に図9(c)に示す様に最初の4層は掃引速度を200mm/sとし,5層目以降は50mm/sで造形したサンプル(3)では,基板近傍でのクラックや空隙の発生の少ない造形サンプルが形成出来た.ここで各サンプルの相対密度を測定した結果を図10に示す.入熱量が最も少ない造形サンプル(1)の相対密度は95%,入熱量が最も多い造形サンプル(2)は相対密度が98%となった.さらに入熱量を5層目から変えた造形サンプル(3)の相対密度は99%となり最も相対密度が高い造形物であることがわかった.各層毎に相対密度を測定すると,入熱量の少ないサンプル(1)は積層数が上がるほど密度が減少し,基板界面では99%あった相対密度が16層目になると94%まで減少した.これは銅の体積が大きくなって熱容量が大きくなったため,入熱不足による影響を受けたものと考えられる.次に入熱量が大きい造形サンプル(2)では1-4層目は相対密度が97.8%,5-8層目が97%とSUS基板近傍での密度低下が大きい.これは入熱量が大きいため銅粉末だけでなく基板への熱影響が大きくなり,CuとFeの金属間化合物層が形成されてクラックが生じたと推察される.一方,■層毎に入熱量を大きくした造形サンプルff■■は,基板近傍から上層にかけて相対密度に大きな図10(a)造形サンプル全体の相対密度評価,(b)各層での相対密度評価− 307 −

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