天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2021013-B2一般研究開発助成AF-2021014-B2一般研究開発助成マクロテキスチャ,機能性表面,抗菌立体フォトリソグラフィ,マクロテキスチャ,圧延ロールmnr-sasaki@toyota-ti.ac.jp半導体後工程,塑性加工,異材接合低温接合,プラズマ,表面処理ohmi@prec.eng.osaka-u.ac.jp豊田工業大学 大学院工学研究科 教授大阪大学 大学院工学研究科物理学系専攻 准教授佐々木 実大参 宏昌− 27 −塑性加工塑性加工圧延ロール面への高アスペクト比機能構造の微細加工異種材料接合に向けた高密度・非平衡プラズマによる金属表面処理技術の開発圧延ロール円筒面に,立体フォトリソグラフィ加工を適用し,幅2µmの微細パターンを一括転写できた.潜像を予め形成したレジスト膜を変形させつつ貼り付ける潜像法によって,光学的に投影できない高低差を超えて微細パターンを,様々な立体に転写できる.このパターンを基に,硬質材料である光沢ニッケルめっきに形状を転写した.直径43mmの圧延ロール円筒面に,幅2µmのダイアモンドパターン(60x60mm2 に凹構造が約1億4000万個)を一括転写した.約5秒の圧延加工により凹凸逆となる微細凸形状を転写した.圧延ロール上の形状で溝のアスペクト比2.1,アルミニウム材への転写形状でアスペクト比1以上が得られ,抗菌機能に必要な値を達成した.圧延処理したアスペクト比0.82のPET材にサイズ1µm程度の乳酸菌入りの液を滴下したところ,菌の移動がマイクロテクスチャにより制限を受けることを確認した.本研究は、種々の機器におけるマルチマテリアル化に向け、水素を主体とした低環境負荷なガスを用いて金属表面に特異なナノ構造を廉価に形成し、これを樹脂-金属の異種材接合、ならびに金属・金属の低温接合へ応用することを目的に研究を行った。具体的には、中圧域のヘリウム混合水素プラズマを銀表面に曝露した際に表れる繊維状ナノ構造(ナノファズ構造)、ならびに純水素プラズマに曝露した際に表れるナノ多孔質構造の形勢挙動のプラズマパラメータ依存性を調べ、接合への適性を検討した。ナノファズ形成Agを用いてポリプロピレン(PP)との加圧接合を試みたところ、未処理Agに比べ処理Agでは格段に大きな接合強度が得られ、接合破断試料ではPPの母材破壊が観察された。また、純水素プラズマ処理による表面処理を行った金属試料では、250℃以下で銅部材間の低温固相接合に成功した。

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