天田財団_助成研究成果報告書2024
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■本研究の開発に貢献した報告者の研究室に所属している学生らに感謝する.また,本研究課題に対して助成いた■図11.PTS計測結果.(a) 時間領域14 μsにおける光パルスの波形.青色がPTS無しの波形,黄色がPTS有りの波形.(b) 時間領域を4.6-6.0 μsのおける波形.(c) 縦軸をパルス数,横軸を波長としたときの2次元カラープいてPTS分光システムの構築を行った. 図11に開発したPTSを用いて計測したスペクトルを示す.スペクトル幅20 nmを有する光パルスをSMFにて,時間幅2nsまで時間的に伸長して,時間領域14 μsにおいて,フレームレート10.7 MHzでスペクトル計測を行うことに成功した.図11の水色の実線はPTSしないときの時間波形を表しており,黄色の実線はPTSした際の時間波形である.図11(b)より,時間軸上にスペクトル情報を射影されていることがわかる.またPTSしたスペクトルの分解能は,0.07 nmであり,OCTを実現するための干渉計測を行うために十分なスペクトル分解能を得ることができた. リトン動作を融合したモード同期ファイバレーザーの開発を行い,繰り返し周波数6.6 MHzの全偏波保持ファイバレーザーの開発に成功した.また発振器と増幅器の間にNBFを挿入して,スペクトル制限によるパルス整形を行い,広帯域増幅による短パルス化が可能な増幅法を実現した.PTS分光法に関しては,SMFと高速の光検出器,オシロスコープを用いて,フレームレート10 MHzでスペクトル計測を行うことに成功し,スペクトル分解能0.07 nmを実現できた.得られたスペクトル分解能はOCTにおける干渉縞を計測することが十分可能な分解能であり,これら開発した要素技術を組み合わせることで,PTS-OCTを実現できる見込みを得ることができた. だいた,公益財団法人天田財団に対し,心よりお礼申し上げる.■ 謝■辞■参考文献 3.まとめ ■本研究課題では,MHzのフレームレートで動作可能な可視化技術の実現を目指すために従来技術では困難とされている光源の開発とPTS分光システムの開発に取り組んだ.光源の開発に関しては,非線形増幅ミラーと散逸ソロットイメージ 1) D. Huang, E. A. Swanson, C. P. Lin, J. S. Schuman, W. G. Stinson, W. Chang, M. R. Hee, T. Flotte, K. Gregory, and C. A. Puliafito, et al., “Optical coherence tomography,” Science 254(5035), 1178–1181 (1991). 2) W Drexler, JG Fujimoto, eds Optical coherence tomography: technology and applications, (Springer, 2015). 3) K. Goda, and B. Jalali, Dispersive Fourier transformation for fast continuous single-shot measurements. Nat. Photon. 7, 102-112 (2013). 4) A. Mahjoubfar, D. V. Churkin, S. Barland, N. Broderick, S. K. Turitsyn, B. Jalali, Time stretch and its applications. Nat. Photon. 11(6), 341-351 (2017). 5) K. Goda, A. Fard, O. Malik, G. Fu, A. Quach, and B. Jalali, High-throughput optical coherence tomography at 800 nm, Opt. Express 20, 19612 (2012). 6) N. Hayashi, M. Hoshikawa, K. Ishii, T. Fujita, M. Kanamori, T. Deguchi, R. Nomura, H. Hasegawa, T. Makino, T. Hashimoto, H. Furukawa, N. Wada, In-process measurement of a keyhole using a low-coherence interferometer with a high repetition rate, Opt. Express, 29, 32169 (2021). 7) H. Asghari, “Visible wavelength time-stretch optical coherence tomography,” Opt. Express 31(15), 24085–24096 (2023). − 278 −

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