AF-2021008-B2一般研究開発助成AF-2021009-B2一般研究開発助成板材成形,潤滑剤熱間曲げすべり,摩擦係数,その場観察yanagida@mail.dendai.ac.jp塑性加工拡管,口広げ,抽伸,薄肉管s.kajikawa@uec.ac.jp東京電機大学 工学部 先端機械工学科 教授電気通信大学 大学院情報理工学研究科機械知能システム学専攻 准教授柳田 明梶川 翔平− 25 −塑性加工塑性加工熱間曲げすべり変形中の工具界面のその場観察による潤滑特性の評価逃げ有り回転口広げと拡管型抽伸による高精度薄肉管加工プロセスの開発近年,鋼やマグネシウム合金の熱間成形が広く用いられ,面精度,工具への焼付きや工具寿命の問題となる.板材成形に関しては,摺動特性の評価方法が多く提案されているが,熱間加工に適用した事例は少なく,特にダイ肩R部の熱間摺動特に関する報告はない.本研究では,ダイ肩R部での熱間摺動特性を評価する試験法を構築するとともに熱間曲げすべりによる加工界面を直接観察し,潤滑メカニズムの検証を目的としている.そこで,通電加熱とガイドローラを用いた熱間曲げすべり試験機を設計・開発し,FEM解析を用いてA7075を供試材として摩擦係数の導出法の確立と測定を行い,背圧の上昇にともない,工具R部の接触面積に増加により摩擦係数が低下した.また,加工界面から輝度値を測定し,値の変化から潤滑剤の有無の判断ができることを示した.高精度な薄肉管を効率的に製造する方法として,逃げ有りパンチを用いた回転口広げ加工および拡管型抽伸加工から構成されるプロセスを提案する.提案工法において,管壁を周方向に大きく伸ばしながら抽伸することによって,大幅な減肉が期待できる.本研究では,それぞれの工程において高い成形限界や精度を得るにあたって適正な工具形状を,実験および有限要素解析によって調査した.逃げ有りパンチを用いた回転口広げ加工においては,パンチの逃げ溝の大きさが成形限界に大きく影響し,適正な逃げ角は20°程度であることが明らかとなった.拡管型抽伸加工においては,プラグ半角が成形限界に大きく影響し,いずれの材種を対象とした場合においても適正なプラグ半角は36°程度であった.また,プラグの導入部にガイド,角部にコーナを設けることによって,偏肉やオーバーシュートの少ない高精度な管が成形できることを明らかとした.
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