天田財団_助成研究成果報告書2024
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,tsurhTs ,psI eslupmi cificepSmhO ,ecnatsiser retaeHNm 0 力を測定した.エンジン内部の多層ヒータに直流電源を接続し,定電流にて加熱を行った.ヒータ電流は100Aフローコントローラにより5, 10, 15, 20SLMに流量制御高温となる最内層の温度を内部に挿入したC型熱電対素進性能に影響しないことは確認済みである.■温度と推力𝐹𝐹及び比推力𝐼𝐼spの関係を図12に示す.𝐼𝐼spは計測した推力𝐹𝐹 と推進剤流量𝑚𝑚̇ から以下の式により算出される.■𝐼𝐼sp=𝐹𝐹𝑔𝑔𝑚𝑚̇(1) ここで𝑔𝑔 は重力加速度である.一方,本エンジンのようられる推力𝐹𝐹の理論式は以下で表される. 𝐹𝐹=𝑚𝑚̇√2𝛾𝛾𝑅𝑅̅𝑇𝑇p(2) 𝑀𝑀(𝛾𝛾−1)ここで𝛾𝛾は比熱比,𝑅𝑅̅は気体定数,𝑀𝑀は分子量,𝑇𝑇pは噴射𝐼𝐼sp=1𝑔𝑔√2𝛾𝛾𝑅𝑅̅𝑇𝑇p(3) 𝑀𝑀(𝛾𝛾−1)固定とした.推進剤ガスとしては窒素ガスを用い,マスされた窒素ガスをエンジンに投入した.ヒータ内の最も線により計測し,噴射温度とした.素線挿入の影響が推3・3 高温噴射試験結果■噴射試験により得られた各窒素ガス流量における噴射に高温気体を超音速ノズルを介し加速,噴射した際に得温度である.従って理論比推力は式(1)及び(2)より, 図12■噴射温度と推力,比推力(Isp)の関係 図11から,式(3)の理論通り,𝐼𝐼sp が噴射温度𝑇𝑇p の上昇ける最高到達温度は1633K,得られた最大比推力は250秒であった.窒素は分子量𝑀𝑀が28と大きいため,比推力は低い値に留まっているが,今後,𝑀𝑀 22の水素等のと共に向上することが確認できる.今回の噴射実験にお低分子量の推進剤を用い,更なる高温化により一層の高比推力を目指す計画としている.■各窒素ガス流量におけるヒータ加熱中の電気抵抗の変化を図13に示す.電気抵抗はエンジンへの電流端子間の電圧を測定し,ヒータへの投入電流で除することで求めている.従って,ケーブル等の電圧降下は除かれているが,エンジン内部の電気接点における接触電気抵抗は含まれている.各流量において温度の上昇と共に抵抗が一度低下する特性は,熱膨張により電気接点における面圧が上昇し,この接触電気抵抗が低下するためである.■が確認された.■先行研究2)における純タングステンのヒータの電気抵抵抗は2割程高くなった.実際の宇宙運用では,ヒータングステンに比べ優れていることが確認された.■よく知られているように,純タングステンの電気抵抗率は温度とともに上昇する.図13の通り酸化ランタン・タングステンにおいても,接触抵抗の低下の後,純タングステン同様に温度と共に電気抵抗が上昇すること抗に対し,酸化ランタン・タングステンの高温での電気の電気抵抗を高くし,電流を抑制,電圧を高めることがケーブルや電気接点におけるジュール発熱,すなわち電力損失を低減する上で有利である.酸化ランタン・タングステンは高温強度に加え,電気抵抗が高い面でも純タ図13■噴射温度に対するヒータ電気抵抗の変化 試験前後のヒータ各層の常温での電気抵抗を比較した結果を表2に示す.高温下で各層の減肉等が生じると電気抵抗が大幅に増加するため,電気抵抗はヒータの材料劣化の一つの指標となる.表2の通り,高温を経験した内層側で若干の変化は見られるものの,1633Kを含む高酸化ランタン・タングステン合金が1633K程度まではの安定性等の議論を進める計画である.■温加熱前後でヒータの電気抵抗に大幅な上昇等はなく,安定であることが示された.今後,より高温の試験を行うことで,高温下での酸化ランタン・タングステン合金6005004003002001008001000Isp [s]Thrust [mN]12001400Temperature, K16000.0550.050.0450.040.0350.030.025500180020 SLM7001100900Temperature, K5 SLM10 SLM15 SLM130015001700− 258 −

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