天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2021006-B2一般研究開発助成AF-2021007-B2一般研究開発助成塑性加工冷間鍛造,摩擦係数,焼付き,有限要素解析hayakawa.kunio@shizuoka.ac.jp塑性加工,工作機械,切削工具WC-Ni硬質皮膜,金型長寿命化,連続打ち抜き試験ohkim@eng.niigata-u.ac.jp静岡大学 工学部機械工学科 教授新潟大学 自然科学系(工学部材料科学プログラム) 准教授早川 邦夫大木 基史− 24 −塑性加工塑性加工冷間鍛造工程における摩擦係数の成形速度依存性の解明 WC-Ni硬質皮膜の適用によるプレスせん断金型の長寿命化ならびに焼付きのリアルタイム検出・予測冷間鍛造における潤滑性能評価において,1)摩擦係数の成形速度依存性の評価,2)急激な潤滑状態の変化のリアルタイム検出・予測について調べた.1)について,前後方直缶押出し型摩擦試験を用いて環境対応型潤滑剤を鉄鋼素材に適用した場合,成形速度が大きいほうが摩擦係数が小さくなることが分かった.また,精密な較正線図により,加工速度に依存する摩擦係数を合理的に同定できた.2)について,ボルト型ピエゾセンサーを,チタン合金の前方押出し加工時の摩擦特性の評価に適用した.その結果,潤滑状態により,ダイス内での材料流動が変化し,その変化を捉えることで摩擦係数を同定できることが分かった.いっぽう,ばらつきが大きいこと,ならびに工程中の潤滑状態の変化を捉えることができなかったことが課題として残された.高強度素材の金属プレス加工における問題点のひとつとして,金型摩耗に起因する金型寿命低減が挙げられる.そこで本研究では,先行研究において汎用WC-Co超硬合金を上回る表面硬度および耐摩耗性を有し,なおかつスクラッチ試験においても皮膜剥離を生じない高じん性を併せ持つことを示してきたWC-Ni硬質皮膜に着目し,金型への適用による金型長寿命化を主たる目的として研究を実施した.連続打抜き試験用試験片基材であるSKD11ショルダーパンチに対するWC-Ni硬質皮膜の施工条件を探索した結果,めっき施工後および熱処理後での剥離発生を抑制可能な皮膜施工条件を確立した.一方,上記の皮膜施工条件を適用し施工したWC-Ni硬質皮膜付加ショルダーパンチ試験片を用いた連続打抜き試験において目的とした金型長寿命化は達成できなかったが,連続打抜き試験に適用するWC-Ni硬質皮膜における今後の施工指針を得た.

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