AF-2021004-B2一般研究開発助成AF-2021005-B2一般研究開発助成半溶融鍛造,磁石材料半溶融鍛造,セミソリッドプロセス,異方性ネオジム磁石takuya-tamura@aist.go.jp塑性加工,液圧成形,加速器の製造液圧成形,加速空洞,銅パイプmasashi.yamanaka@kek.jp産業技術総合研究所 極限機能材料研究部門 上級主任研究員高エネルギー加速器研究機構 機械工学センター 教授田村 卓也山中 将− 23 −塑性加工塑性加工半溶融鍛造プロセスを用いた異方性セミソリッド・ネオジム磁石の創製液圧成形によるシームレス加速空洞の製造希土類磁石においては,最強磁石である異方性ネオジム焼結磁石を超える磁石開発に加え,フェライト磁石並みに安価に作製できる希土類磁石開発も非常に重要なテーマである.本研究では,これまで複雑な工程にて作製されてきた希土類磁石において,半溶融鍛造工程のみで磁石化ができる技術開発を行う事により,市販のネオジムボンド磁石の特性を超える異方性セミソリッド・ネオジム磁石の創製を行う事を目的とした.「NdCu共晶+65wt%Nd2Fe14B」合金を加熱,半溶融状態にて油圧プレスを用いて作製する事により,磁石の強さを表すBH(max) が113kJ/m3を有する異方性セミソリッド・ネオジム磁石の作製が出来た.市販の等方性ボンド磁石のBH(max)は〜96kJ/m3であることから,半溶融鍛造を用いて,市販の等方性ネオジムボンド磁石の特性を超える磁石が1ステップで作製できることを実証できた.超伝導空洞のコストを低減するために,銅で空洞本体を製作し,内部をニオブでコーティングして超伝導を発現させ,廉価な空洞を実現する研究が近年,盛んに行われている.加速空洞の内面は滑らかさが求められ,コーティングの下地は継ぎ目の無い空洞が理想的である.そこで,1本の銅パイプから継ぎ目のないシームレス空洞を製造することを着想し,液圧成形による試作に成功した.1本のパイプを一気に空洞形状に成形する方法を試したが難しいことがわかり,2工程による成形を発案した.2種類の金型を用意し,液圧成形のみで仕上げた.従来は,アイリス部のくびれ加工が必要であるが,これを廃して工程を簡素化した.まず外径88mmの銅パイプの中央を130mm程度に膨らませ,次に金型を交換して,最終形状の210mm程度まで膨らませた.1工程と2工程の間には,伸び性を回復するために500℃×2時間の真空焼鈍を行った.
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