AF-2020026-B3一般研究開発助成AF-2020028-B3一般研究開発助成材料設計,プロセス設計結晶塑性解析,その場回折試験,格子ひずみmayama@kumamoto-u.ac.jpプレス部品の矯正ベンディング,インクリメンタル,薄板鋼板s-abe86183@pref.hiroshima.lg.jp眞山 剛安部 重毅− 22 −塑性加工塑性加工キーワード連絡先メールアドレスキーワード連絡先メールアドレス[応用分野]熊本大学 大学院先端科学研究部 教授[応用分野]広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 生産技術アカデミー 製品設計研究部 担当部長その場回折試験と格子ひずみ解析による塑性パラメータ最適化手法の構築汎用ツールによる金型レスの逐次曲げ成形技術の高度化本研究では結晶塑性解析を実施する上で問題となる材料パラメータ同定の困難さを克服するための1手法として,その場回折により得られる格子ひずみ発達データと数理最適化手法を用いる方法を構築した.構築した手法を複相Mg合金鋳造材の材料パラメータ同定に適用し,最適化の目的関数として,応力-ひずみ曲線に加えて格子ひずみ発達を考慮することがパラメータ同定に有用であることが実験結果と解析結果の比較により明らかとなった.また,パラメータ同定における初期値依存性についても調査し,初期値依存性に関する解析自体が初期値を決める上で有用となり得ることが示唆された.また,今後の研究の指針として,その場回折実験から得られる半径方向の回折データや集合組織発達に関する情報の利用が有用であるとの認識に至った.高価な金型を使用しないで板金成形をする方法の1つに逐次成形方法がある.これは1つの汎用ツールを使って局所加工を行いながら,加工部位を移動させる方法で,多様な複雑形状の加工ができる.筆者らは,曲線経路に沿った曲げや曲げ深さを変更でき,より自由度の高い曲げ加工ができる「逐次曲げ加工」を提案している.ただし,この逐次曲げ加工は新しい技術であり,基礎的な加工データが無いことから,本報では,加工の挙動や品質に影響を与える加工条件を調査した.その結果,「曲げの曲線経路での転進角度」,「ワーク材質による変形抵抗」の影響が大きい一方,「経路の反復加工回数」は極端に少ない回数でない限り,影響があまり出ないことが分かった.また,本加工方法の他用途として,プレス成形後の弾性回復による形状不良(スプリングバック)の矯正を試みた簡易な事例も併せて報告する.
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