天田財団_助成研究成果報告書2024
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1.研究の目的と背景キーワード:中赤外線レーザ,レーザ樹脂溶着,透明樹脂,印加圧力,プロファイル制御レーザ波長■■■~3μ■帯域における中赤外線領域レーザ光源の高出力化・低価格化が進んでいる.これにより従来困難であった透明樹脂等の溶着が容易となり,従来から接着剤や超音波などを用いた接着加工からの代替が進み始めている■~■■.本件研究自体は ■年以上前から樹脂加工を取り扱う企業や研究機関で取り組まれ,これらに関する特許等の有効期限が過ぎ,装置化等の事業化が進め易い状況となっている■■■■.筆者らのコミュニティでも■■年以上前からこれに着目して,研究や知財申請等を行ってきた.更に当財団の助成を受けながら技術開発を行い,立体形状の樹脂溶着を食品,薬品,化粧品,医療等で用いられる容器等に応用する研究を継続している.また,中赤外線レーザを用いた医療応用研究も別事業にて進めている■■■一方,これまでの透明樹脂同士のレーザ接着加工については,近赤外領域に設定された吸収材の塗布■■やエラストマーと呼ばれる材料を中間に存在させることによる研究が進められてきた■■■.これに対して,吸収材の塗布やエラストマーと呼ばれる材料そのもの以外の因子の存在を無くする条件における研究としては,次の中赤外線領域(波長 ■■μ■レーザ)の利用の報告がなされている■■■■ ■■中赤外線領域のレーザ出力向上に伴い,樹脂溶着の件数が国内外で増加している.鉄系金属のレーザ溶接においてビームプロファイルを制御することにより,スパッタフリーの溶接やギャップ対応等による品質向上等の成果が多数報告されている.従来であれば,中赤外線域のレーザ装置は出力が低く,このような用い方ができなかったが近年の高出力により可能となっている.現行の研究課題は,透明樹脂内部を透過させながらの溶着となるため,レーザの単一レンズによる集光照射だけでは品質を維持しつつ強度を確保できないことが挙げられる.特に筆者らが着目している円筒容器等の立体形状の樹脂溶着を想定した場合,従来のガラス等による表面押さえ治具の無い手法にて実現する必要があり,その条件において表面の荒れや膨れの問題が残っている.加えて筆者らにおいて,立体形状を想定した接着部の印加圧力に関する検証が定量的に行えていない状況があった.以上の様な背景を踏まえ,本研究の目的を設定した.■)■種類の近赤外・中赤外線領域のレーザ波長を用いて■光産業創成大学院大学光産業創成研究科光産業創成専攻( ■ ■年度一般研究開発助成■■■ ■ ■ ■■■■ )准教授沖原伸一朗2.実験方法印加圧力特性と溶着特性(品質・強度)について因果関係を調査する. )レーザによる透明樹脂溶着の引張り強度と表面品質向上のため,中赤外線レーザビームのプロファイル形状制御する光学系を構築する.■)構築された光学系によるレーザビームプロファイル形状における溶着特性(強度・品質)を評価し,特性向上に適したビーム形状を検討する. ・■実験概要 ・■・■溶着検証用光源について以前の当該研究報告においては,透明樹脂溶着検証用には表面荒れを抑制できると考えられた波長■■■■■■■の半導体レーザを利用した.波長 μ■近辺の中赤外領域のレーザは吸収率が■■■■■%と高いため,厚さ数■■程度の薄板において表面の吸収を起こさずに溶着を行うにはレーザエネルギーのコントロールの許容幅が小さく,加工不良率を高めてしまうなどの課題があると考えられた■しかし,既存の中出力ff■ ■■■の装置を用いたため低出力での評価検証ができなかったことや,高■■集光による■■■■■■■の光源利用においても図1の試験の様に溶着線の膨れを低減できていなかった.図1円筒樹脂の溶着線の膨れff■■■■■■■■■■■■■種類の近赤外・中赤外線領域のレーザ波長光源(■■■■,■■■■,■■■■■■■)を整備し,集光点における照射領域を揃え比較した.以前の報告では高■■レンズを用いることに− 215 −レーザ透明樹脂溶着の印加圧力とビームプロファイル制御による品質・強度向上研究

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