天田財団_助成研究成果報告書2024
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図6ホウ化バナジウムコーティングの摩耗痕離剥分部5- ,e4m0.00004ulov 2r0.00002aeW rae3W3 m80.00008m0610.00006×mm,emuloV■・ 各ホウ化物コーティングの摩擦摩耗特性図5(a)にホウ化タンタルコーティングの摩擦係数の経時変化を示す.いずれのコーティングも変動を伴いながら最終的には約0.77の摩擦係数を示した.この摩擦係数の変動は,相手材のSUS304ボールからコーティングへの移着物の付着と脱落によるものと考えられる.図5(b)にホウ化ニオブコーティングの摩擦係数の経時変化を示す.この場合もホウ化タンタルコーティングと同様の摩擦特性を示した.図5(c)にホウ化バナジウムコーティングの摩擦係数の経時変化を示す.500℃と600℃製膜のコーティ図5(a)ホウ化タンタルコーティングの摩擦特性図5(b)ホウ化ニオブコーティングの摩擦特性図5(c)ホウ化バナジウムコーティングの摩擦特性ングの最終的な摩擦係数は,ホウ化タンタルやホウ化ニオブと変わらないものの摩擦係数の変動は小さくなった.一方,400℃製膜のコーティングは,今回の研究の中では最も低い摩擦係数を示した.図6にホウ化バナジウムコーティングの摩耗痕の光学顕微鏡像を示す.500℃製膜と600℃製膜のコーティングの摩耗痕中央部に黒い領域が見られるが,これは相手ボールのSUS304が移着したことを示す.このような移着現象は,先述のようにホウ化タンタルやホウ化ニオブのコーティングでも見られた.一方,400℃で製膜したコーティングでは,他のコーティングと比較して移着量が少なかった.このことから,SUS304の移着が抑えられたため,摩擦係数が他よりも小さく,変動も小さくなったと考えられる.図7に各コーティングの摩耗量を示す.摩耗量は,摩耗痕の断面曲線から求めた平均摩耗深さから算出した.これよりホウ化バナジウムコーティングの摩耗量が少ないことが分かる.ホウ化バナジウムコーティングの中では400℃製膜のコーティングの摩耗量が多いが,相手ボールの移着量が他よりも少なかったためと考えられる.このように,3種類のホウ化物コーティングにおいて,摩擦特性には大きな差は見られなかったが,摩耗特性としては,ホウ化バナジウムコーティングが低摩耗を示した.■・■積層コーティングの検討摩擦相手材(SUS304ボール)からの移着の影響を排除し,コーティング自体の摩擦摩耗特性を把握するために,相手材をSUS304ボールから不活性なアルミナボールに変更して,同条件で摩擦試験を実施した.ただし,アルミ図7各コーティングの摩耗量00100.0001TaB2NbB2400℃製膜500℃製膜VB2600℃製膜− 208 −

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