天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2020019-B3一般研究開発助成AF-2020020-B3一般研究開発助成塑性加工ピーン成形,ショットピーニング,残留応力,粒子画像流速測定t.ohta.62@cc.it-hiroshima.ac.jp接合加工,自動車,航空機電磁成形,異種材,接合harada.y@aist.go.jp広島工業大学 機械システム工学科 教授国立研究開発法人産業技術総合研究所 製造技術研究部門 グループ長太田 高裕原田 祥久− 19 −塑性加工塑性加工ピーン成形におけるショット速度の計測と変形形状の制御電磁成形を用いた異種材マルチマテリアル接合加工技術の開発高速ビデオカメラと粒子画像流速測定を適用し,ショットピーニングにおいて重要な物理的パラメータであるショット速度をノズルから供試体までの広い領域で計測し,空気圧とショット速度・ショット径の関係を明らかにした.残留応力分布の発生源である固有ひずみを導入して,残留応力分布が固有ひずみのガウス分布から計算できることを確認した.固有ひずみのガウス分布の3つの係数とショット径とショット速度の関係を明らかにし,実験をしていないショットピーニング条件においても残留応力分布の予測ができることを示した.さらに,ピーン成形の数値シミュレーション手法についても検討し,試験片形状と空気圧(ショット速度)により,変形形状が球面から円筒面にシフトすることを示した.シミュレーション結果は実験結果とよく一致することを確認した.自動車等の輸送機器の重量半減のためには,構造材を適材適所に用いるマルチマテリアル化の実現が必要不可欠である.そのためには軽量かつ高強度を有する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と金属の異種材の接合加工が必要であり,本研究では瞬時の加工が可能な電磁成形を用いた異種材接合加工技術の開発を行った.最初に有限要素法を用いて加工条件の最適化を行い,接合時に発生する温度とローレンツ力を見積もった.その結果を反映させて,チタン,チタン合金,ステンレス鋼,ニッケル合金,高張力鋼材に電磁エネルギーを加えることでCFRPとの接合が可能となり,ステンレス鋼とCFRPの接合では接合強度が12MPaを超えることがわかった.また,チタンとCFRPの接合界面を分析した結果,CFRP由来のアミド基と金属由来の酸化物が生成したことから,樹脂と酸化物の間で水素結合が生じていることが示唆された.

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