天田財団_助成研究成果報告書2024
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(a)(b)図7(a)幅2mレジスト膜抗菌パターン,(b)ロール円筒面上に光沢ニッケルめっき硬質材料で得た微細パターン. .微細凹凸パターン付きロールの製作100 cP)をスピン成膜した.潜像付きレジスト図5 (a)圧延ロールと(b)潜像付きレジスト/PVA膜をロール円筒面に貼り付ける工程.図6 微細凹凸付きローの製作プロセス.図5(a)に示す圧延ロールに,図4に示す微細抗菌パターンを形成した.直径が43mmのロール円筒表面を研磨し,表面粗さを14nmRaまで減少させた.幅2μm,深さ3μmの溝が,Sin波状に長さが3〜16 μmに変化するダイアモンドパターンとなる.図6に微細凹凸パターンの製作プロセスを示す. ①ガラスマスク表面に液体PVAをスピン成膜した.②得られたPVA膜上にレジスト(THMR-iP5700HP ③ガラスマスク裏面より露光し,レジストにパターンを転写し,潜像を形成した.レジスト膜は薄い(約1m)PVA 層を介しつつも,ガラスマスクに密着しているため,良質なパターンが転写できる3).④潜像付きレジスト/PVA膜をマスクから剥離する.⑤圧延ロール表面にレジスト/PVA膜を貼り付け,真空パックすることで,包装プラスチック袋内を脱気し,レジスト膜をロール円筒面に密着させて熱圧着した.図5(b)に示すように,PVAとレジストの2層からなる膜をロールに巻き付けて熱圧着し,レジストパターンをロール円筒面に転写した.⑥取り出したロール最表面のPVAを水で溶解した.⑦ロール円筒面に残った潜像付きレジストを現像した.⑧電解メッキにより,レジストパターンが抜けた部分に光沢ニッケルめっきを堆積した.⑨残留レジストを有機溶剤により除去した.図7(a)は得られたレジスト抗菌パターンである.コーナが鋭く,アスペクト比の高い構造が得られた.アスペクト比(高さ/幅の比)2.2である.図7(b)は光沢ニッケルを堆積しレジスト膜を除去した後の表面である.上下中心領域はピントが合っているが,上領域は曲面のために像がぼけている.めっき堆積によって,圧延ロール円筒面上に,幅1.97μm,深さ4.19μm,溝のアスペクト比2.1の微細穴パターンが得られた. ■.形状転写得られた圧延ロール上の元形状から,厚さ500μmのPETシートに形状転写したものが図8(a)である.平均で幅1.66μm,高さ1.36μmであり,アスペクト比0.82が得られた.壁面は丸みを帯びた形状である.PETのガラス転移温度は71℃であり,予めPETを80℃に加熱後に室温にて圧延した(所有する圧延ロールが簡易的なもののため,圧延処理については改善点が多いと判断している).レジスト光沢ニッケルめっき− 197 −(a)(b)

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