(STKM13C未処理材,Dp= 34 mm, プラグ半角α= トーュシーバーオ(STKM13C未処理材,プラグ半角α= 36°,ガイド長さLgp= 30 mm)厚肉ogog / /mm1005t210管0mm■・■プラグのガイドが偏肉に及ぼす影響ガイドの有無が肉厚分布に及ぼす影響を調査した.本調査では,半角α= 36°,コーナ半径無しのプラグを用いた.図10に,素管としてSTKM13Cの未処理材を用いた際において,ガイドの有無が肉厚tの周方向分布に及ぼす影響を示す.ガイドの無いプラグを用いて抽伸すると,素管と比べて偏肉が悪化する傾向を示した.これは,抽伸時において,管の軸に対してプラグの軸がずれた状態で抽伸されているためである.ガイド付きのプラグを用いると,プラグの軸が管の軸と一致した状態で抽伸されるため,偏肉は大幅に改善し,素管と同程度となった.以上の結果より,ガイドは成形品の偏肉を抑制するにあたって有効であることが明らかになった.図10ガイドが肉厚分布に及ぼす影響(STKM13C未処理材,プラグ半角α= 36° ,コーナ半径Rp無し,実験)■・■プラグのコーナ半径■■がオーバーシュートに及ぼす影響プラグのコーナ半径Rpがオーバーシュートgoに及ぼす影響を調査した.本調査では,半角α= 36°のガイド付プラグを用いた.図11に,Rpがgoに及ぼす影響を示す.まず,FEM解析にてRpの影響を調査した結果,Rpの増加にともなってgoは減少し,Rp= 20 mmの条件にて,goをおおよそ0に低減できた.図12に,FEM解析にて得たプラグコーナ部近傍の管壁の変形形状を示す.オーバーシュートは,管壁がプラグのコーナ部にて曲げられるときに生じる.管壁が曲げられるとき,曲率半径Rが生じ,曲げ部の曲率半径がRpより大きいと,図12(a) に示すように,オ-バーシュートが生じる.一方,Rpを曲げ部の曲率半径よりも大きく設定すると,図12(b) に示すように,管壁はプラグ形状に沿って変形できるため,オーバーシュートを抑制できる.解析結果と同様に,オーバーシュートを抑制できた.以上の結果より,オーバーシュートの抑制にあたって,プラグ4.まとめFEM解析の結果に基づき,コーナ半径Rp= 20 mmのプラグを用いて実験を行ったところ,図11に示すように,ガイド有りガイド無し素管プラグ径Dp/ mm(2) 拡管型抽伸加工において,材種やプラグ形状(半角α,ガイド,コーナ半径Rp)の影響を調査した.その結果,材種によらず,α= 36°の場合に高い成形限界が得られた.一方,素管の伸び性が高いほど,加工可能図12プラグコーナ部近傍における変形形状角部にコーナを設けることは有効であり,適正なRpは20 mm程度であることが明らかになった.本研究では,高精度な薄肉管を効率的に製造する方法として,逃げ有りパンチを用いた回転口広げ加工および拡管型抽伸加工から構成される加工プロセスを提案し,それぞれの工程における適正工具形状を調査した.得られた主な知見を以下に示す.(1) 逃げ有りパンチを用いた回転口広げ加工において,逃げ角φおよび逃げ溝数nrが成形限界に及ぼす影響を調査した.その結果,φ= 20 °程度の場合に,最も高い成形限界が得られた.また,逃げ角φや逃げ溝数nrが増加すると,繰り返し曲げ・曲げ戻し変形によるひずみが蓄積しやすくなるため,割れが生じやすくなった.な最大の拡管量は大きくなる傾向を示した.成形品の偏肉を抑制するにあたっては,ガイドを用いるこプラグ− 182 −図11ガイドが肉厚分布に及ぼす影響36°,ガイド長さLgp= 30 mm,)FEM実験1015コーナ半径R/ mm(b) コーナ半径Rp= 20 mm2.21.81.61.41.24590位置角度/°30341351802252703153600.80.60.40.2-0.2(a) コーナ半径Rp無しプラグ径Dp/ mm3830相当塑性ひずみεeq曲げ部の曲率半径R3420250.8
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