0 00 0η0 ■図9に,減肉率ηに及ぼすプラグ径Dpの影響を示す.図では,変形前後の管の断面積が変化せず(軸方向ひずみεz = 0),成形品の内径はDpと等しくなると仮定して計算したηもあわせて示している.いずれの材種においても,Dpの増加にともなって,ηは増加した.したがって,成形限界の高いSTKM13Cの焼きなまし材やC1220は,Dpが大きなプラグを用いて大幅な減肉加工が可能である.また,Dpが一定の場合,A1070にて高いηが得られた.A1070の場合,プラグと管の摩擦が大きく,軸方向荷重が大きくなるため5),軸方向に材料が伸ばされ,高い減肉効果が得られたと考えられる. ここで,Dおよびtは抽伸後の管の外径および肉厚の平均値である. ■■・ ■材種が成形性に及ぼす影響■D径グラプD径グラプD径グラプD径グラプ率肉減/p/p/p/pmmmmmmmm図8■プラグ径Dpおよび半角αが成形可否に 図9■プラグ径Dpが減肉率ηに及ぼす影響(実験) 及ぼす影響 (実験) 成功座屈− 181 −端部周方向割れ周方向割れ軸方向ひずみεz= 0の場合プラグ径Dp/ mmしわ,切りくず,偏心軸方向割れ1224364860プラグ半角α/ °1224364860プラグ半角α/ °(d) C1220384036周方向に45°ごとに測定し,周方向の分布を求めた.また,以下の式から減肉率η,オーバーシュートgoを求めた. ■素管の材種が成形性に及ぼす影響を調査した.本調査では,ガイドおよびコーナ半径無しのプラグを用いた.図7に本実験において発生した成形不良の外観,図8にプラグ径Dpおよび半角αが成形可否に及ぼす影響を示す.Dpが大きくなると,成形不良が発生しやすくなり,加工可能な最大のDpや成形不良の種類は,αによって変化した.いずれの材種の場合においても,α = 36° にて最も大きく拡管できた.αが小さいと,抽伸時に周方向の引張による割れ(図7(b) および (c))が生じやすくなった.αの増加にともない,抽伸時の周方向割れが発生しにくくなる一方,口広げ時の座屈(図7(a))や抽伸時の軸方向割れ(図7(d))が生じやすくなった.α = 48°になると,抽伸工程にて加工が不安定となり,管壁のしわ(図7(e))や偏肉,管内面に切りくず(図7(f))が発生した.α = 48°では,プラグのテーパ部が非常に短くなり,拡管時においてプラグと管の接触が不安定となるため,不良が生じやすかったと考えられる.以上の結果より,高い成形限界が得られる適正なαは材種によらず,36°であることが明らかになった.一方,適正条件下における成形限界は,材種によって変化し,STKM13Cの焼きなまし材やC1220など,伸びが大きい材料を用いた際に高い成形限界が得られることが明らかになった. 図7■成形不良の外観 (a) 座屈(口広げ)(c) 端部周方向割れ(抽伸)(e) しわ(抽伸)(b) 周方向割れ(抽伸)(d) 軸方向割れ(抽伸)(f) 切りくずの発生(抽伸)(3) (4) 4442403836343230284442403836343230280.50.40.30.20.14442403836343230281224364860プラグ半角α/ °(a) STKM13C (未処理)(b) STKM13C (焼きなまし)4442403836343230281224364860プラグ半角α/ °(c) A1070STKM13C (未処理)STKM13C (焼きなまし)C1220A107030342832𝜂𝜂=𝑡𝑡0−𝑡𝑡𝑡𝑡0𝑔𝑔𝑜𝑜=𝐷𝐷−2𝑡𝑡−𝐷𝐷𝑝𝑝
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