図21にT2 = 0.9 kN時の輝度値,図22に加工界面の様子を示す.引抜き距離17-18 mm地点で輝度値が上昇した.これは,測定点付近の潤滑剤が不足し,膜厚が薄くなったからである.また,図17右図に示されているように,15 mmを過ぎてからガラス工具にかかる荷重が急激に増加した原因も,膜厚の減少であると言える. 6.結言 ガイドローラを用いた熱間曲げすべり試験の検証を行い,以下のことが得られた. 1) FEM解析により導出した摩擦係数の式の妥当性を評価し,今回提案した熱間曲げすべり試験に適した式であるとことが確認できた. 際に摩擦係数を測定することができた. を行い,以下のことが得られた. より,潤滑剤の有無を判断することができた. 本研究は,公益財団法人天田財団の一般研究開発助成(AF- AF-2021008-B2)により行われました.新規に観察装置を開発することが出来たことに対してここに謝意を表します. 図21 T2 = 0.9 kNにおける輝度値 (a)1 mm (0.1 s)地点 (b)11 mm (1.1 s)地点 図19 T2 = 0.6 kNにおける輝度値 図20 T2 = 0.6 kN時の加工界面 図22 T2 = 0.9 kN時の 加工界面(17 mm (1.7 s)) 謝 辞 参考文献 2) ガイドローラを用いた熱間曲げすべり試験を行い,実3) 熱間曲げすべり加工界面での潤滑剤の挙動などの調査4) ガラス工具はSKD61工具に比べて焼付きが生じにくく,T2 = 0.6,0.9 kNともに摩擦係数が小さくなった. 5) 加工界面を観察した動画から輝度値を測定し,輝度値の変化から潤滑剤の挙動を調査した.輝度値の変化に1) 柳⽥, FORM TECH REVIEW, 28 (2018), 21. 2) J L Andreasen et al.,Proc. Inst. Mech. Eng. Part B J. Eng. Manuf.,(2006),p.73. 3) P. K. Saha and W. R. D. Wilson, Wear,172, (1994),p.167. − 177 −
元のページ ../index.html#179