Crystall- zation 650℃-60min in 5%H2+Ar 650℃-30min in 5%H2+Ar ↑ - そして本研究では,共通条件以外で個別の条件を変化させた3種の試験片を作製し,連続打抜き試験用試験片として使用した.表3に連続打抜き試験用試験片の仕様を示す. 表3 連続打抜き試験用試験片仕様 SpecimenPlating processshoulderpunche -1Electroless Ni-P 60minElectro Ni-W 25minshoulderpunche -2Electroless Ni-P 30minElectro Ni-W 60minshoulderpunche -3Electroless Ni-P 60minElectro Ni-W 45min3・2 ショルダーパンチ試験片-1による連続打ち抜き試験結果 ショルダーパンチ試験片-1は,当研究室内の先行研究における平板基材への標準施工条件を適用して作製した.試験前の試験片エッジ部のSEM観察画像を図4(a)(b)に示す.WC-Ni硬質皮膜が損傷なく施工されていることが分かる. 図4 ショルダーパンチ試験片-1 試験前観察 ショルダーパンチ試験片-1を試験装置に装着し,表2に示す試験条件で連続打抜き試験を開始したところ,打抜き回数1000回経過時点で打抜き欠落部のバリ高さの増加が確認された.ただ,これが初回の連続打抜き試験だったこともあり,とりあえず連続打抜き試験を継続したところ,打抜き回数6000回経過時点で一転してバリ高さの低下が確認された.またワークの状態変化も合わせて確認された.更に試験を続行したところ,打抜き回数12500回経過時点で明らかにバリの状態に変化が見られたため試験を中断し,パンチを取り外して目視でパンチの状態を確認したところ,WC-Ni硬質皮膜に変化が見られた.試験後の試験片エッジ部のSEM観察画像を図5(a)(b)に示す.試験片端面および側面において,WC-Ni硬質皮膜の損耗・消失が見られた.また上述の試験中バリ高さの推移から,本試験片における試験終了までの打抜き回数(皮膜耐久性)を「1000回」と評価した. (a) 40倍 Heat treatmentGascarburization900℃-10minin 1.5%C2H2+Ar850℃-10minin 1.5%C2H2+Ar850℃-30minin 1.5%C2H2+Ar(b) 200倍 Chamfering図5 ショルダーパンチ試験片-1 試験後観察 3・3 ショルダーパンチ試験片-2による連続打ち抜きC 0.5試験結果 ショルダーパンチ試験片-2では,前述のショルダーパンチ試験片-1においてWC-Ni硬質皮膜の早期の損耗を生じたことから,硬質層の厚膜化を意図しためっき条件変更を行なった.試験前の試験片エッジ部のSEM観察画像を図6(a)(b)に示す. C 0.3図6 ショルダーパンチ試験片-2 試験前観察 なおこの試験片においてはエッジ部C0.5面取り有基材に対してWC-Ni硬質皮膜を施工したが,試験片端面を平面研削することで面取り部を除去した後に連続打抜き試験を実施した. ショルダーパンチ試験片-2を試験装置に装着し,表2に示す試験条件で連続打抜き試験を開始したところ,打抜き回数500回経過時点で打抜き欠落部のバリ高さの増加が確認されたため試験を中断し,パンチを取り外して目視でパンチの状態を確認したところ,ショルダーパンチ試験片-1と同様のWC-Ni硬質皮膜損耗・消失が見られたため,本試験片の皮膜耐久性を「500回」と評価した. 3・4 ショルダーパンチ試験片-3による連続打ち抜き試験結果 ショルダーパンチ試験片-2における,ショルダーパンチ試験片-1よりさらに早期の皮膜損耗原因として,硬質層厚膜化によって表面と比較してWC結晶形成量が少ない低強度領域が硬質層内部において存在し,連続打抜き試験のせん断負荷によりそこが優先的に塑性流動してしまったことが考えられた.そこでショルダーパンチ試験片-3においては,電気Ni-Wめっき膜厚を試験片-2から低減するとともに,WC結晶形成量の増加を意図してガス浸炭時間を(a) 40倍 (a) 40倍 (b) 250倍 (b) 200倍 − 171 −
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