天田財団_助成研究成果報告書2024
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AF-2019003-A3重点研究開発助成 課題研究AF-2020001-A3重点研究開発助成 課題研究塑性加工金型形状,トポロジー最適化,疲労試験kuboki@mce.uec.ac.jp塑性加工機械学習,鍛造,FEM解析shinomiya@orist.jp電気通信大学 機械知能システム学専攻 教授大阪産業技術研究所 和泉センター加工成形研究部 主任研究員久保木 孝四宮 徳章− 15 −塑性加工塑性加工V曲げ加工金型の溝底亀裂および肩部損耗のメカニズム検討と長寿命化に関する研究プレス機自らが考えて動く機械学習を活用した知能化成形技術の構築V曲げ加工金型の耐荷重と疲労特性の向上を目的として,トポロジー最適化を含めた方法による2つ穴ダイと,人間の直感に基づくキーホールダイを提案した結果を示した.トポロジー最適化を用いる方法では,トポロジー最適化によって形状を探査し,形状の近似楕円の適正位置を重合メッシュにより求めた.これらの結果に基づき,パラメトリック適正化により,涙状の2つ穴形状を求めた.キーホールダイは,パラメトリック適正化によって,形状を適正化した.提案のダイの効果を検証するために静的破壊試験と疲労試験を実施し,涙形状の2つ穴を有するダイは従来ダイに対して,強度向上が見られた.一方,キーホールダイでは,強度が低下した.これを改善するため,ピアノ線を巻き付けたキーホールダイを提案し,著しく強度向上を実現する効果があることを示した.著者らは,サーボプレスなどのスライドモーションをコントロールできるプレス機をAIと組み合わせて活用することで,知能的なスライドモーション制御を実現できると考えている.知能的なスライドモーションは,言わば匠の技に相当し,状況に応じて叩き方を変えるという熟練技術をプレス機に搭載することを想定している.本研究では,(1)プレス機械をAI対応に改造,(2)畳み込みニューラルネットワークを用いたインパクト成形の知能化,(3)強化学習を用いた熱間鍛造の最適化に取り組んだ.インパクト成形の知能化では,成形初期のパンチのひずみ情報から成形の可否を予測し,不良と判断された場合にパルスモーションを発動させることで,不良率の低減を達成できた.また,熱間鍛造の最適化では,被加工材の組成や鍛造開始時の被加工材温度および金型温度から,成形品の強度を高めることができる鍛造条件を自動で発動させることができた.

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