Pμ tneiciffeoC noitcirF08面旋削加工,アルカリエッチング,ショットブラストの3種類の試験片を用意した.1つの試験片条件に対して4種類のストロークと2種類の成形速度でWCおよびWCL試験を行い,成形速度の摩擦係数に及ぼす影響を調査した.較正線図の作成には,有限要素解析ソフトウェアSimufactFormingを使用した.工具モデルは伝熱を考慮した剛体として扱い,材料のモデルパラメータは単軸圧縮試験を行い解析ソフト中の材料モデルのパラメータをフィッティングして作成した.また,WC試験ではμPの試験片変形形状への影響は無視できるため,μP= 0.1と仮定し解析を実行した.2・4摩擦係数の推定の結果図3は,WCL試験によるμP-SP関係図を示す.ここで,WC試験で推定したμDは成形速度による差が確認できたため,各成形速度におけるμDの平均値(1 spmではμD= 0.053,20 spmではμD= 0.042)をWCL試験の較正線図に使用した.図3から,μPは20 spmの場合の方が1 spmのそれよりも低く,速度依存性が認められる.図4は,SP= 16 mmにおける1 spmと20 spmの場合の試験直後の試験片の温度分布解析結果を示す.20 spmの方が1 spmよりも試験片の温度が高い.これは,成形速度が速いほど変形熱がパンチやダイスへ熱伝達する時間が短く断熱状態に近くなるためである.試験片が高温となることで材料の変形抵抗も下がる.また,2液2層型潤滑剤の融点は,上塗り層が179~180°C,下塗り層の一部である固体潤滑剤は175~180°Cの範囲である.図4から,20 spmにおいて試験片全体は200°C以上であり,潤滑剤が融点に達した可能性がある.そのため,潤滑膜のせん断抵抗が減少することで,界面の滑りが良好となった可能性がある.さらに,WCL試験においては下パンチ面よりも上パンチ面のベアリング面積の方が広く,摩擦発熱によって上パンチ面の方がより高温となるため,この傾向は上パンチ面で先に生じやすいと考えられる.図1前後方缶押出し型摩擦試験法図22液2層型環境対応型潤滑剤の概要図表1摩擦係数の成形速度依存性の試験条件図3パンチ面摩擦係数とストロークの関係2・5試験片の表面の観察図5は,1 spmと20 spmでの試験後の試験片の表面を示す.1 spmでは潤滑剤の下塗り層が残存しているが,20 spmでは下塗り層の膜切れが生じ金属表面が露出している.また,有限要素解析結果からも,ダイス面の一部で20 spmの方が1 spmよりも表面積拡大率が大きくなってお図4解析による試験片温度分布WorkpieceLubricantForming speed / spmStroke SP/ mmTool coating0.50.40.30.20.1Temperature / °C40036032028024020016012080400SCM420,φ20×20 mmDLTLubricant1and2011.5, 13.5, 15.5 and 17.5AlCrNAs Machined 1spmPickled 1spmShot Blasted 1spm1012Stroke SP[mm]1spmAs Machined 20spmPickled 20spmShot Blasted 20spm141620spm− 165 −
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