天田財団_助成研究成果報告書2024
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キーワード:液圧成形,加速空洞,銅パイプ ■■ff■■■■セル空洞 ff■■■■セル空洞■工の一つである.金型内に置いた管材に高内圧を加え,管の両端を軸方向に押し込んで,金型に沿った形状に成形する1).配管継手,ベローズなどの生産に広く用いられている.中空軽量部品を一体成形することができ,コストダウンも図れることから,近年特に自動車部品への適用が急速に拡大している2).■■■粒子加速器は,電磁波などを使って電子や陽電子などの粒子にエネルギーを加え,粒子を加速する装置である.加速した粒子を衝突させて噴出する様々な粒子を観測したり,がん治療のための医療機器に用いられたり,様々な学術および産業用途がある.加速器には種々の方式があるが,超伝導加速空洞は,空洞セル内に大電力の高周波を導き,空洞内にできる電場を利用して粒子を加速する.空洞の材料には純ニオブが用いられ,液体ヘリウムを用いて■■■まで冷却し,超伝導状態にして運転する.電気抵抗がほぼゼロのため,電力損失や発熱が抑制され,小さな電力,短い距離で大きなエネルギーを粒子に与えることができる.従来の加速器に比べて省エネというメリットがあるが,材料にレアメタルであるニオブを使うため初期コストは高くなる3).■だ円のセル形状を有する超伝導加速空洞の製造方法は,圧延したニオブの板材をおわん状にプレス加工し,それらを電子ビーム溶接ff■■■■で結合する方法が一般的である.空洞は内面が滑らかなことが要求されるが,■■■の電子銃は大型のため,空洞の外側から貫通溶接を行い,隆起の少ない滑らかな溶接裏ビードを形成する必要がある.これは熟練を要する非常に難しい溶接作業である.■■■機の導入コストも高く,■■■が空洞製造コスト上昇の主要因である.■■■を用いずに液圧成形を用いて空洞を低コストで製造する研究が行われている.特にドイツ電子シンクロトロン研究所(■■■■)において■■■■■■らによって精力的に行われた.内径■■■■■■,肉厚 ■■■■■のニオブシームレスパイプを用いて空洞を製造した.最大加速勾配は■■~■■■■■■■に達した4).高エネルギー加速器研究機構(■■■)は■■■■年より液圧成形の研究に着手し,図1に示すニオブ製の■■セルと■セル空洞の製造に成功し,電界性能試験の結果,最大加速勾配は■■■■■■■に達し,加速空洞として使用できることを確認した5).■1.研究の目的と背景 ■管状素材を用いた液圧成形は,古くから知られる塑性加高エネルギー加速器研究機構■機械工学センター■( ■ ■年度■一般研究開発助成■■■■ ■ ■■■■■■ ) 教授■山中■将■図1■ニオブ製シームレス空洞(ニオブパイプはアルバック製)■■超伝導空洞のコストを低減するために,銅で空洞本体を製作し,内部をニオブでコーティングして超伝導を発現させ,廉価な空洞を実現する研究が近年,盛んに行われている.加速空洞の内面は滑らかさが求められ,コーティングの下地は継ぎ目の無い空洞が理想的である.欧州原子核研究機構(■■■■)は■■■■年までに銅パイプを用いて液圧成形による空洞製造に成功している6).本研究の目的は,■本の銅パイプから,継ぎ目のないシームレス空洞を製造することである. ■ ■年に日本ニューロン(株)との共同研究により,■■■■■■■■■セル銅空洞の試作に成功した7).本報告では,製造工程と成形例について詳細に述べる■ 2.実験方法 ■ ・■■フルシームレス空洞■■1セル空洞の構成部品を図2に示す.(a)は従来のプレス・溶接工法により4個,(b)はセル部分を液圧成形で製作し,左右のビームパイプを溶接することにより3個,(c) − 160 −液圧成形によるシームレス加速空洞の製造

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