キーワード:ベンディング,インクリメンタル,薄板鋼板■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■( ■ ■年度■一般研究開発助成■■■■ ■ ■■ ■■■■) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ・■■曲げツールの機構■逐次曲げ加工で被加工ワークを直接加工する曲げツールについて説明する.これは,上下■組の治具(図2)で構成し,この間に被加工ワークを挟み込み,上側治具を下側治具に押し込み加工する.■この押し込み量を多くするほど,肩ローラの傾斜はきつくなり,曲げ角度が深くなる機構である.また,曲げツールで加工しつつ,加工経路に沿うように考慮しながら,被加工ワークの位置・姿勢を移動制御することで,自由な経路の曲げが実現できる.■ ・ ■曲線曲げ機(試作機)■逐次曲げ加工を実現するために,図3に示す曲線曲げ機を試作した.当該機器は,前述した曲げツールを中核機構とし,「曲げツールを構成する上・下治具の高さ位置を制御する機構」と,「被加工ワークの位置・姿勢を 次元平面上で制御できる搬送機構」を有する.加工対象は,軟鋼板(□ ■■■■,板厚■■■■■)もしくはアルミ鋼板(□ ■■■■■板厚■■■■■)を想定して設計した.■薄板鋼板の板金成形といえば,プレス成形が主流であるが,プレス成形で必要な金型は,製作費が高い,制作期間がかかる,生産には大型プレス機が必要等の観点から,金型レスもしくは金型数削減への要望が強い.■■これらの要望に対し,■つの汎用ツールを使って局所加工を行いながら,加工部位を移動させることで,金型レス(もしくは金型数削減)にて,多様な複雑形状の板金成形ができる逐次成形方法がある.特に張り出し成形を主体とするインクリメンタル加工は実用化レベルに達している.■筆者らは,逐次成形方法の■つである“逐次曲げ加工”を提案した.従来のベンディングマシンは,真直ぐ,正確な角度で,短時間で曲げることができるため,箱物等の製作に強いが,それ以外への展開は難しい.一方,提案する逐次曲げ加工は,曲線経路に沿った曲げや曲げ深さを変更でき,より自由度の高い曲げ加工ができる(図1).■なお,この逐次曲げ加工は全く新しい技術であり,基礎的な加工データが皆無であるため,これを取得する必要がある.本報では,前半で逐次曲げ加工および曲げ機について説明し,中盤では加工条件を変更しつつ,その加工挙動を精査して得た知見について報告する.■また,本成形方法を有効に活用するためには,得意な領域を見つけ,実用化の出口を模索する必要がある.そこで,本報の後半では,プレス成形後の追加工や形状不良(スプリングバック)矯正や現状で成形できるデモパネルの事例などを紹介する.■■■■図1■従来の曲げ加工(上)と逐次曲げ加工(下)■広島県立総合技術研究所■西部工業技術センター■生産技術アカデミー■製品設計研究部■■1. 研究の目的と背景 担当部長■安部■重毅■2. 逐次曲げ加工の基本的な考え方 図2■曲げツール■図3■曲線曲げ機■− 149 −汎用ツールによる金型レスの逐次曲げ成形技術の高度化
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