天田財団_助成研究成果報告書2024
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図4 通電加工後のMg-Sb焼結体のFE-SEM写真およびEDS分析結果 (Ar雰囲気,保持時間15分間) 加工温度:(a) 573 K, (b) 673 K, (c) 973 K また,1段階の急速昇温プロセスによりMg3Sb2合成同時焼結させる際には,MgとSbの融点以上の温度に短時図5 通電加工時のMg-Sb焼結体の変位と温度 Mg3Sb2焼結体の密度測定,EBSDによる結晶粒子径の解析結果から,873 Kの加工温度で相対密度97%の緻密化が達成されており,その平均粒径は22 µmであった.一方,1073 Kの加工温度で相対密度100%と理論密度に到達しており,その平均粒径は~200 µmに巨大粒成長していることが明らかとなった. (2段階昇温,温度保持:723 K 10分, 1073 K 10分) 間で到達するために,未反応のMgとSb金属の一部がダイの内壁から溶出することから,Mg/Sb組成の制御が難しくなる.Mg3Sb2の固相反応合成が概ね終了する723 Kにおいて一定時間保持後,973~1073 Kに温度上昇させる2段階昇温プロセス(図5)を採用することで,MgとSb粉末から緻密なn型Mg3Sb2焼結体を再現性良く作製できることが明らかとなった. 3・2 Mg3Sb2焼結体の熱電特性と通電加工条件 Mg3Sb2焼結体の熱電特性に及ぼす通電加工条件の影響を調べた.図6にMg3Sb2焼結体のゼーベック係数における通電加工時の雰囲気および温度依存性を示す.MgとSbの混合粉末を,Ar雰囲気下,1023 Kおよび1073 Kの温度,保持時間10分の条件で加工したMg3Sb2焼結体のゼーベッ図6 Mg3Sb2焼結体のゼーベック係数における図7 Mg3Sb2焼結体のゼーベック係数におけ通電加工時の雰囲気および温度依存性 る出発原料のMg/Sb元素割合依存性 温度サイクル測定 (室温→773 K→室温) − 137 −

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