天田財団_助成研究成果報告書2024
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RR77 RR88 1100mmmm 3.4耐食性図8に押出材の腐食速度を示す.押出比R7および押出比R8の結果を示す.目標とする腐食速度1.0 mm/yを破線で示す.R7材およびR8材は目標値を大きく下回っており0.1mm/y程と良好な結果となった.図9に耐食性試験後の押出材の外観を示す.押出材の外観も特に目立った腐食は観察できなかった.3.5Zn量増加の検討AZ91マグネシウム合金を原料に真空蒸留法によりマグネシウム凝縮物を作製し,得られたマグネシウム凝縮物を押出加工により押出材を作製したところ,硬さが向上し,耐食性も良好であったので,Zn量の増加の検討を行った.ZnはAZ91マグネシウム合金地金にZn粒をるつぼ中に入れて,真空蒸留を行い,Zn量増加の検討を行った.図10に試験後のコンデンサの外観を示す.AZ91のみに比べ,凝縮物の粒がかなり不均一に大きくなった.表1原料および押出材の化学組成(mass%)蒸発と仮定)91%を破線で示す. 蒸発率は90%程とほぼ原料中のMgおよびZnは蒸発したものと思われる.コンデンサでの回収率は75%~85%程になった.3.2化学組成表1に原料および押出材の化学組成を示す.得られた押出材の化学組成はいずれもZn以外の元素は検出されず,検出限界以下となった. Zn量は0.3%程となった.3.3ビッカース硬さ図7に押出材のビッカース硬さを示す.比較として,純マグネシウムでの結果を示す6).押出材のビッカース硬さは,押出比の大小に関わらず,平均値が37HV程でとなり,純マグネシウム押出材に比べ,8HV程大きくなった.これはZnが0.3%程含有したことにより,固溶硬化したのではないかと思われる.図7押出材のビッカース硬さ図8押出材の腐食速度図9耐食性試験後の押出材の外観AAZZ9911ののみみ AAZZ9911++ZZnn粒粒 図10試験後のコンデンサの外観− 133 −

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